ベルリン発 〓 ドイツのオペラ雑誌「オペルンヴェルト」が「オブ・ザ・イヤー2024」

2024/10/02

ドイツのオペラ雑誌「オペルンヴェルト=Opernwelt」が「オブ・ザ・イヤー2024」を発表した。「オブ・ザ・イヤー2024」は欧米の音楽関係の評論家や記者ら43名の記名投票で選ばれているが、プロダクションは5作品が同時受賞という異例の展開。主な受賞者は以下の通り。

[オペラハウス]
 フランクフルト市立オペラ
  =3年連続、8度目の受賞

[女性歌手]
 アスミク・グリゴリアン(ソプラノ)
  =ハンブルク市立オペラのリヒャルト・シュトラウス《サロメ》のサロメ、ウィーン国立歌劇場のプッチーニ《トゥーランドット》のトゥーランドット、バイエルン州立オペラのチャイコフスキー《スペードの女王》のリーザなどの歌唱と演技が評価されて

[男性歌手]
 ジョン・オズボーン(テノール)
  =ロッシーニなどを得意とし、ベルカント歌手としての評価が高かったが、フランクフルト市立オペラの《ユダヤの女》エレザール役など新たな役柄での活躍が評価されて

[プロダクション]
 ボン市立劇場:シェーンベルク《モーゼとアロン》
  =ロレンツォ・フィオリーニ演出、ディルク・カフタン指揮
 リヨン国立オペラ:チャイコフスキー《スペードの女王》
  =ティモフェイ・コウリアビン演出、ダニエレ・ルスティオーニ指揮
 バイエルン州立オペラ:ヴァインベルク《乗客》
  =トビアス・クラッツァー演出、アジム・カリモフ指揮
 フランクフルト市立オペラ:ワーグナー《タンホイザー》
  =マシュー・ワイルド演出、トーマス・グガイス指揮
 ザルツブルク音楽祭:マルティヌー《ギリシャ受難劇》
  =サイモン・ストーン演出、マキシム・パスカル指揮

[演出家]
 リディア・スタイアー
  =フランクフルト市立オペラのヴェルディ《アイーダ》などの演出で受賞

[初演]
 ベルンハルト・ラング《ドラ》
  =シュトゥットガルト州立劇場で初演

[再発見]
 ベルタン《ファウスト》
  =ルイーズ・ベルタン(1805-1877)はベルリオーズと同門、同世代のフランスの女性作曲家。文豪ヴィクトル・ユーゴーが台本を提供して誕生したオペラ《エスメラルダ》で知られる。《ファウスト》はゲーテの「ファウスト」に基づいたイタリア語の作品で、1831年に初演されている。クリストフ・ルセ率いるレ・タラン・リリクらの演奏で蘇演。


写真:Münchner Philharmoniker / Sebastian Widmann



  もっと詳しく ▷


関連記事

  1. マンハイム発 〓 マンハイム国民劇場が新制作の《さまよえるオランダ人》をストリーミング配信

  2. ミラノ発 〓 スカラ座が5月、ネトレプコのリサイタルを予定

  3. ザールブリュッケン発 〓 ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルの首席クラリネットに19歳の小林りゅうた

  4. クリーブランド発 〓 クリーブランド管がセクハラ認定、コンサートマスターと首席トロンボーンを解任

  5. ミュンヘン発 〓 バイエルン放送響が首席指揮者にラトル

  6. ミラノ発 〓 ゲルギエフがイタリア国内の資産売却を進めていると、イタリアの有力紙が報道

  7. モントリオール発 〓 テノールのベン・ヘップナーがラジオのパーソナリティーからの“卒業”を表明、メディア・プレゼンターに転身

  8. ベオグラード発 〓 準・メルクルの投稿、思わぬ波紋

  9. シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭 〓 今年の「レナード・バーンスタイン賞」はピアノのイサタ・カネー=メイソンに

  10. ブリスベーン発 〓 オペラ・オーストラリアが《ニーベルングの指環》の新制作を延期、新型コロナの感染拡大受けて

  11. ペルミ発 〓 ペルミ・オペラ・バレエ劇場の次期音楽監督に29歳のミグラン・アガザニアン

  12. ウィーン発 〓 キリル・ペトレンコがウィーン・フィルとのコンサートをすべてキャンセル

  13. 東京発 〓 新日本フィルが新シーズン、2023/2024シーズンの定期演奏会ラインナップを発表

  14. ニューヨーク発 〓 メトロポリタン歌劇場が音楽監督ヤニック・ネゼ=セガンとの契約を延長

  15. シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭 〓 音楽祭の「ポートレート・アーティスト」エレーヌ・グリモーが旅行制限で出演出来ず

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。