訃報 〓 ハンス=ペーター・レーマン(90)ドイツの演出家

2025/02/08
【最終更新日】2025/02/09

ドイツの演出家ハンス=ペーター・レーマン(Hans-Peter Lehmann)が5日に亡くなった。90歳だった。ハノーファー州立歌劇場の初代芸術監督を20年にわたって務め、そのかわたら日本の新国立劇場をはじめとするさまざまな劇場で数多くのオペラの演出を手掛けた。また、ハノーファー音楽演劇メディア大学の教授も務めた。

ドイツ・カッセル生まれ。彫刻家のクルト・レームを父に、母が美術史家という家庭で育ち、デトモルト音楽大学で音楽を、ベルリン自由大学で美術史と演劇学を学んだ。卒業後、ベルリン・ドイツ・オペラでカール・エーベルトとグスタフ・ルドルフ・セルナーの助手を務め、1960年から1973年にかけて作曲家ワーグナーの孫でバイロイト音楽祭を主宰していた演出家のヴィーラントとヴォルフガング兄弟の助手を務めた。

その一方、1963年から1976年にかけて、ウルム、マインツ、ニュルンベルクなどの劇場で監督を務め、1970年にはバイエルン州立歌劇場でワーグナー《タンホイザー》を、1974年にはニュルンベルクでツィンマーマンの《兵士たち》を演出。1976年から1980年にかけてヴィースバーデンのヘッセン州立劇場のオペラ監督を務めた。

1980年にハノーファー州立歌劇場の初代芸術監督に就任、2001年の退任まで21年間務めた。そのかたわら、ドイツ国内、海外の歌劇場で数多くの舞台を演出を手がけ、日本の新国立劇場でも、リヒャルト・シュトラウス《ナクソス島のアリアドネ》、リヒャルト・シュトラウス《エレクトラ》、ワーグナー《タンホイザー》の新演出を手掛けている。

写真:Kristoffer Finn


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