ドイツのオペラ雑誌「オペルンヴェルト=Opernwelt」が「オブ・ザ・イヤー2024」を発表した。「オブ・ザ・イヤー2024」は欧米の音楽関係の評論家や記者ら43名の記名投票で選ばれているが、プロダクションは5作品が同時受賞という異例の展開。主な受賞者は以下の通り。
[オペラハウス]
フランクフルト市立オペラ
=3年連続、8度目の受賞
[女性歌手]
アスミク・グリゴリアン(ソプラノ)
=ハンブルク市立オペラのリヒャルト・シュトラウス《サロメ》のサロメ、ウィーン国立歌劇場のプッチーニ《トゥーランドット》のトゥーランドット、バイエルン州立オペラのチャイコフスキー《スペードの女王》のリーザなどの歌唱と演技が評価されて
[男性歌手]
ジョン・オズボーン(テノール)
=ロッシーニなどを得意とし、ベルカント歌手としての評価が高かったが、フランクフルト市立オペラの《ユダヤの女》エレザール役など新たな役柄での活躍が評価されて
[プロダクション]
ボン市立劇場:シェーンベルク《モーゼとアロン》
=ロレンツォ・フィオリーニ演出、ディルク・カフタン指揮
リヨン国立オペラ:チャイコフスキー《スペードの女王》
=ティモフェイ・コウリアビン演出、ダニエレ・ルスティオーニ指揮
バイエルン州立オペラ:ヴァインベルク《乗客》
=トビアス・クラッツァー演出、アジム・カリモフ指揮
フランクフルト市立オペラ:ワーグナー《タンホイザー》
=マシュー・ワイルド演出、トーマス・グガイス指揮
ザルツブルク音楽祭:マルティヌー《ギリシャ受難劇》
=サイモン・ストーン演出、マキシム・パスカル指揮
[演出家]
リディア・スタイアー
=フランクフルト市立オペラのヴェルディ《アイーダ》などの演出で受賞
[初演]
ベルンハルト・ラング《ドラ》
=シュトゥットガルト州立劇場で初演
[再発見]
ベルタン《ファウスト》
=ルイーズ・ベルタン(1805-1877)はベルリオーズと同門、同世代のフランスの女性作曲家。文豪ヴィクトル・ユーゴーが台本を提供して誕生したオペラ《エスメラルダ》で知られる。《ファウスト》はゲーテの「ファウスト」に基づいたイタリア語の作品で、1831年に初演されている。クリストフ・ルセ率いるレ・タラン・リリクらの演奏で蘇演。
写真:Münchner Philharmoniker / Sebastian Widmann
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