世界的な活躍を続けてきたメゾ・ソプラノのヴァルトラウト・マイヤー(Waltraud Meier)が1日、ドイツ・ヴュルツブルクで引退コンサートを行った。会場のヴュルツブルク市立劇場はマイヤーがプロ歌手としてのキャリアをスタートさせたゆかりの場所。
マイヤーはヴュルツブルクで生まれの67歳。地元で学んだ後、1976年にヴュルツブルク歌劇場の《カヴァレリア・ルスティカーナ》のローラ役としてプロ・デビュー。1980年にブエノスアイレスのコロン劇場で《ワルキューレ》のフリッカ役として国際的な初舞台を踏んだ。
その後、1983年のバイロイト音楽祭《パルジファル》クンドリー役の成功で国際的な檜舞台へ。その後、1985年にロンドンのロイヤル・オペラ、1987年にはニューヨークのメトロポリタン歌劇場と、著名な劇場へのデビューが続いた。
ワーグナー歌いとしての評価は高く、バイロイト音楽祭には定期的に出演。クンドリー役の他、2000年にはユルゲン・フリムが新選出を手掛けた「ミレニアム・リング」では《ワルキューレ》にはジークリンデ役で出演。この年、ザルツブルク音楽祭でロリン・マゼール指揮でイゾルデも演じている。また、2003年には、ダニエル・バレンボイムの指揮で、ヴェーヌス役を歌った《タンホイザー》の録音が米国のグラミー賞「ベスト・オペラ録音部門を受賞している。
1日の引退コンサートは、ワーグナーとリヒャルト・シュトラウスを中心としたプログラム。その後、東京でのリサイタル、ベルリン州立歌劇場の《エレクトラ》への出演が残るが、マイヤーは引退後にオーストリア・クラーゲンフルトでオッフェンバックをテーマにした新しい音楽祭を主宰することを既に発表している。
写真:BR
ヴュルツブルク発 〓 メゾ・ソプラノのヴァルトラウト・マイヤーが引退コンサート
2023/04/06
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