ドイツの演出家ユルゲン・フリム(Jürgen Flimm)が2月4日。ベルリンで亡くなった。81歳だった。ドイツ舞台芸術協会の会長(1999-2003)、ルール・トリエンナーレの芸術監督(2005-2007)、ザルツブルク音楽祭の芸術監督(2007-2010)、ベルリン州立オペラの総監督(2010-2018)などを歴任した演劇界の大御所の一人。
ギーステン生まれで、ケルン大学で演劇論、文学、社会学を専攻。1968年にミュンヘン室内劇場で演出助手としてキャリアをスタートさせ、その後、マンハイム国立劇場のディレクター、ハンブルクのタリア劇場のシニアディレクターを経て、ケルンの演劇劇場の演出家として活躍した。
1985年から15年間、ハンブルクのタリア劇場の主任演出家を務め、劇場を芸術的にも経済的にもドイツで最も成功した劇場の一つに押し上げ、その間、国際的な歌劇場、音楽祭で数多くのオペラ演出を手掛けて名声を確立。チューリヒ歌劇場では鬼才指揮者のニコラウス・アーノンクールと組んだモーツァルトのダ・ポンテ3部作などの仕事で話題を集めた。
2000年には、ワーグナーの聖地として知られるバイロイト音楽祭で《ニーベルングの指環》全4部作の演出を担当して大きな足跡を残し、2002年にはウィーン国立歌劇場で、フリードリヒ・チェルハの《シュタインフェルトの嘘》の世界初演を手掛けている。
その後、さまざまな要職を歴任。ハンブルク大学教授、ハンブルク、ミュンヘン、ベルリン、フランクフルトの芸術アカデミーのメンバーを務め、ハンブルク自由ハンザ都市芸術科学メダル、ドイツ連邦共和国勲章、オーストリア芸術科学名誉十字勲章などを受賞多数。
写真:Staatsoper Unter den Linden
訃報 〓 ユルゲン・フリム(81)ドイツの演出家
2023/02/05
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