フランスの巨匠ヴァイオリニスト、レジス・パスキエ(Régis Pasquier)が1736年製「グァルネリ・デル・ジェス」を手放すことを明らかにした。2008年から弾いている愛器で、「若い世代に引き継ぐため」6月3日にフランスのオークションハウス「Aguttes=アグット」に競売にかけられるという。関係者によると、推定落札価格は400万ユーロ(約5億5,000万円)を超えるとみられる。
パスキエは1945年、パリ生まれの76歳。父のピエール、叔父のジャン、エティエンヌはパスキエ三重奏団の創設者。12歳でパリ国立高等音楽院のヴァイオリン科と室内楽科を一等賞で卒業。2年後にはニューヨークでリサイタルを行っている。ニューヨークではアイザック・スターン、ダヴィッド・オイストラフ、ピエール・フルニエ、ナディア・ブーランジェ、ジノ・フランチェスカッティという蒼々たる顔ぶれの薫陶を受けた。
1977年から1986年まではフランス国立管弦楽団のコンサートマスターを務め、ヴィオラ奏者の兄ブルーノ、チェロのロラン・ピドゥーと新パスキエ三重奏団を結成して室内楽でも旺盛な活動を展開。1985年から2011年までパリ国立高等音楽院ヴァイオリン科および室内楽科教授を務め、その後、パリ・エコールノルマル音楽院の教授などを歴任してきた。
写真:Radio France
パリ発 〓 レジス・パスキエの愛器1736年製「グァルネリ・デル・ジェス」が競売に、推定落札価格は5億円超
2022/05/04
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