訃報 〓 デール・クレヴェンジャー(81)米国のホルン奏者

2022/02/01
【最終更新日】2023/02/06

米国のシカゴ交響楽団の首席ホルン奏者を長く務め、「ホルンの神様」と呼ばれたデール・クレヴェンジャー(Dale Clevenger)が1月5日にイタリアで亡くなった。家族の発表によると、ワルデンストレーム病の合併症で亡くなったという。81歳だった。

1940年、テネシー州チャタヌーガの生まれ。チャタヌーガオペラ協会の会長を務める父の下、11歳でトランペットを始め、13歳でホルンに転身。アーノルド・ジェイコブスとアドルフ・ハーセスに学ぶかたわら、ピッツバーグのカーネギーメロン大学で美術を学んでいる。

卒業後、カンザス・シティ・フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者。その後、レオポルド・ストコフスキーが率いたアメリカ交響楽団、NBC交響楽団の後継団体であるシンフォニー・オブ・ジ・エアを経て、1966年に音楽監督のジャン・マルティノンに招かれてシカゴ交響楽団に移籍、2013年に退任するまで50年近く首席奏者を務めた。

ダニエル・バレンボイムが音楽監督を務めていた2000年に録音されたリヒャルト・シュトラウスの管楽器のための協奏曲集の録音でホルン協奏曲第1番などを担当、アルバムはグラミー賞を受賞している。また、 1993年にはジョン・ウィリアムズのホルンとオーケストラのための協奏曲の世界初演を手掛けている。

その一方、指揮者としての活動もスタート。1981年から1995年までエルムハースト交響楽団の音楽監督を務めた他、シカゴ市民オーケストラ、西オーストラリア交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、ルーズヴェルト大学交響楽団などに客演している。

また、後進の指導にも熱心で、ノースウェスタン大学、ルーズベルト大学、インディアナ大学のジェイコブズ音楽院などで教壇に立ち、サンタフェ室内楽音楽祭、マロウストーン音楽祭、日本のアフィニス音楽祭といった教育音楽祭で指導に当たった。

写真:Chicago Symphony Orchestra


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