ロサンゼルス発 〓 女性指揮者描いた映画『TAR/ター』が作品賞を含めアカデミー賞6部門にノミネート

2023/01/28

ケイト・ブランシェット演じる女性指揮者を描いた『TAR/ター』が第95回「アカデミー賞」で、作品賞を含む6部門にノミネートされた。女性で初めてベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に任命され、絶対的な権力を振りかざす天才指揮者リディア・ターをめぐるサイコ・スリラー。

ノミネートされたのは、作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、編集賞、撮影賞の6部門。監督と脚本は、トッド・フィールドで、これまで手掛けた長編映画『イン・ザ・ベッドルーム』と『リトル・チルドレン』が相次いで脚色賞にノミネートされており、3度目の正直となる受賞が実現するかどうか話題を集める。

一方、ブランシェットは今回で8回目のノミネートとなるが、先日発表された「ゴールデングローブ賞」をはじめ、ヴェネチア国際映画祭女優賞、全米批評家協会賞をなどを次々に受賞しており、『ブルー・ジャスミン』、『アビエイター』に続いての、3度目の受賞が期待される。

映画の中でベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を演じているのは、ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団で、撮影も彼らの本拠地で2017年に大改装を終えたクルトゥーア・パラスト(文化宮殿)の大ホールが使われている。

また、イギリスの若手チェリストのソフィー・カウアーとナタリー・マーレイ・ビール指揮のロンドン交響楽団がエルガーのチェロ協奏曲の演奏を吹き替えを行っており、カウアーは最後の恋敵としてブランシェットの相手役も務めている。

全体の音楽は『ジョーカー』の音楽を手掛けて、2020年に女性で初めて作曲賞を受賞したヒルドゥル・グーナドッティル。授賞式は現地時間の3月12日に行われ、日本での公開は5月12日から。

写真:Focus Features





関連記事

  1. ベルリン発 〓 ベルリン・フィルが「ヨーロッパ・コンサート」の開催地を変更、ウクライナのオデーサからラトビアのリエパーヤへ

  2. ボーンマス発 〓 指揮者のキリル・カラビッツが来夏でボーンマス響の首席指揮者を退任

  3. ローマ発 〓 ローマ歌劇場が《エルナーニ》を無料ストリーミング

  4. ドレスデン発 〓 指揮者のヤノフスキがドレスデン・フィルとの契約を延長

  5. ストラスブール発 〓 初演200年を迎えた《第九》を、「Arte」が4都市4オーケストラの映像を繋いで放送

  6. ミラノ発 〓 スカラ座がシーズン開幕ガラ・コンサートのプログラムを発表

  7. ストックホルム発 〓 ピアノのイゴール・レヴィットがノーベル賞の授賞式で演奏

  8. ラヴェンナ発 〓 イタリアで劇場閉鎖相次ぐ

  9. 東京発 〓 指揮者の小林研一郎にハンガリーの最高位の勲章「大十字功労章」

  10. ベルリン発 〓 バレンボイムが体調不良で新制作の《指環》の指揮を断念、代役にティーレマン

  11. バニング発 〓 アナログ・レコード人気に打撃、ラッカー盤製造メーカーの工場が全焼

  12. ウェリントン発 〓 ニュージーランド響の次期首席指揮者にジェンマ・ニュー

  13. ブリュッセル発 〓 王立モネ劇場が新シーズン、2025/2026シーズンの公演ラインナップを発表

  14. 訃報 〓 イーゴリ・オイストラフ(90)ウクライナのヴァイオリニスト

  15. ロサンゼルス発 〓 映画音楽の巨匠ジョン・ウィリアムズ、作曲活動からの引退を撤回

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。