訃報 〓 ニクサ・バレザ(85)クロアチアの指揮者

2022/01/20
【最終更新日】2023/02/06

クロアチアを代表する指揮者ニクサ・バレザ(Nikša Bareza)が18日に亡くなった。85歳だった。ウィーン国立歌劇場やミラノ・スカラ座にたびたび客演していた他、スイスのチューリヒ歌劇場、オーストリアのグラーツ市立歌劇場、ドイツのケムニッツ歌劇場の音楽総監督を歴任、国際的に活躍したクロアチアの指揮者の一人。

1936年、ユーゴスラビア王国領スプリトの生まれ。ザグレブ音楽院でロヴロ・フォン・マタチッチに指揮法を学び、卒業後はザルツブルク・モーツァルテウム音楽院でヘルマン・シェルヘンの薫陶を受けた。また、ヘルベルト・フォン・カラヤンのレッスンも受けている。

1965年から1974年までザグレブ歌劇場の指揮者を務めて頭角を現し、1972年にはウィーン国立歌劇場にデビュー。その後も客演を重ね、約80回の公演を指揮している。1978年から1981年までチューリヒ歌劇場、1981年から1990年までグラーツ市立歌劇場の音楽総監督を歴任した。

その後も、クロアチア放送交響楽団の首席指揮者、クロアチア国立劇場のオペラ監督を務めるかたわら、ミュンヘン、ハンブルク、ベルリンの州立オペラ、ノルウェーやメキシコなどで客演を重ねた。2021年10月にはザグレブ音楽アカデミーの100周年を祝うコンサートを指揮、これが最後のステージとなった。

写真:Željko Puhovski / Cropix


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