ザルツブルクの夏の音楽祭のプログラムが発表された。2018年はマルクス・ヒンターホイザーが芸術監督に就任して2年目となるが、相変わらず多彩なプログラムが並んでいる。オペラはモーツァルトの作品が毎年必ず上演されるが、2018年は《魔笛》で、コンスタンティン・カリーディスの指揮、リディア・スタイアーの演出。ザラストロにマティアス・ゲルネ、夜の女王にアルビナ・シャギムラトヴァという布陣に加え、ドイツの名優ブルーノ・ガンツが「語り手」を務めることで話題を集める。
大劇場では、過激な演出で知られる大御所ハンス・ノイエンフェルスが起用されたチャイコフスキーの《スペードの女王》もある。こちらは、マリス・ヤンソンスの指揮。もう一つ、演奏会形式による《真珠採り》も。こちらはプラシド・ドミンゴが出演する。フェルゼンライトシューレで上演されるのはリヒャルト・シュトラウスの《サロメ》で、指揮はフランツ・ウェルザー=メスト、演出はロメオ・カステルッチ、アスミク・グリゴリアンが主役のサロメを歌う。もう一つ、ヘンツェの《バッカスの巫女》もフェルゼンライトシューレで、こちらはケント・ナガノが指揮する。モーツァルト劇場(かつての祝祭小劇場)では、ロッシーニの《アルジェのイタリア女》がジャン=クリストフ・スピノジ指揮のアンサンブル・マテウス、チェチーリア・バルトリらの出演で。小劇場では、ウィリアム・クリスティ指揮のレザール・フロリサン、ヤン・ロワース演出によるモンテヴェルディ《ポッペアの戴冠》もある。
一方のオーケストラのコンサート。ウィーン・フィルの演奏会の指揮台に立つのは、アンドリス・ネルソンス、エサ・ペッカ・サロネン、リッカルド・ムーティ、ヘルベルト・ブロムシュテット、フランツ・ウェルザー=メスト。ゲスト・オーケストラはロンドン交響楽団、ベルリン・フィルのコンサートが2回ずつ。それぞれ、サイモン・ラトル、キリル・ペトレンコが指揮する。また、ウェスト・イースタン・ディヴァン管弦楽団演奏会をダニエル・バレンボイムが指揮するコンサートもある。8月後半には、テオドール・クルレンツィスが指揮するムジカ・エテルナによるベートーヴェンの交響曲全曲演奏も行われる。
リサイタルの顔ぶれも、エフゲニー・キーシン、ユジャ・ワン、ダニール・トリフォノフ、アンドラーシュ・シフ、ヨナス・カウフマンと豪華。アンナ・ネトレプコとユシフ・エイヴァゾフのデュオ・リサイタルもある。本公演ではないが、日生劇場のダ=ポンテ3部作などで活躍中の菅尾友が「こどものための《魔笛》公演」でザルツブルク・デビューを果たすという話題もある。
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ザルツブルク音楽祭 〓 2018年の夏の音楽祭のプログラムを発表
2017/11/10
【最終更新日】2018/02/06
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