バイロイト音楽祭 〓 来年の《さまよえるオランダ人》にオクサーナ・リーニフを起用、女性指揮者は音楽祭初

2020/09/23

バイロイト音楽祭(Bayreuther Festspiele)が来年、《さまよえるオランダ人》の指揮者にオクサーナ・リーニフ(Oksana Lyniv)を起用することを明らかにした。病気療養から現場復帰したカタリーナ・ワーグナー(Katharina Wagner)総監督が日刊紙「ヴェルト」に語ったもの。女性の指揮者の登場は史上初。

音楽祭は今年、新型コロナウイルスの感染拡大で音楽祭自体が中止され、予定されていた新しい《ニーベルングの指環》の新制作は2022年に延期された。来年は《さまよえるオランダ人》以下、《ローエングリン》、《ニュルンベルクのマイスタージンガー》、《タンホイザー》の上演が予定されている。

リーニフはウクライナ・ブロードィ生まれの42歳。2004年にバンベルク交響楽団が主催した第1回「グスタフ・マーラー指揮者コンクール」で第3位に入賞して(第1にグスターボ・ドゥダメル)、そのままオーケストラの指揮者であるジョナサン・ノットのアシスタントとなった。

2005年に本拠地をドレスデンに移し、ドレスデン音楽院でエッケハルト・クレムに師事。2013年からバイエルン国立歌劇場で、音楽総監督を務めるキリル・ペトレンコのアシスタント指揮者を務めた後、2017/2018のシーズンからグラーツ歌劇場の首席指揮者を務めてきた。2019/2020シーズンをもって退任したところ。

母国では2008年からオデッサ歌劇場の指揮者として活動している他、リヴィウで「LvivMozArt」という音楽祭を主催している。

写真:Oper Graz





関連記事

  1. ベルリン発 〓 指揮者界の最長老ブロムシュテットが転倒、入院

  2. シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭 〓 今年の「レナード・バーンスタイン賞」はピアノのイサタ・カネー=メイソンに

  3. ザルツブルク復活祭音楽祭 〓 来年のオペラはネトレプコ主演の《トゥーランドット》

  4. ナント発 〓 「ラ・フォル・ジュルネ」の閉幕コンサートで指揮者倒れ、緊急搬送される

  5. ドルトムント発 〓 2023年の「オペラ・アワード」決定

  6. バイロイト発 〓 バイロイト音楽祭が今後の予定を発表。ビシュコフ、ガッティが復帰

  7. ベルリン発 〓 コーミッシェ・オーパーの次期音楽総監督にジェームズ・ガフィガン、カペルマイスターには八嶋恵利奈

  8. グラフェネック発 〓 乗馬学校を「ルドルフ・ブッフビンダー・ホール」に改修、グラフェネック音楽祭に第3のホール

  9. ベルリン発 〓 ベルリン・ドイツ・オペラが《ヘリアーネの奇跡》の再演を急きょ中止、テノール歌手の体調不良で

  10. ハンブルグ発 〓 ハンブルグ市がメルケル首相をテーマにしたオペラを制作

  11. ミュンヘン発 〓 ミュンヘン国際音楽コンクールのチェロ部門で佐藤晴真が優勝

  12. ミュンヘン発 〓 ワーグナーの曽孫エヴァ・ワーグナー=パスキエ、イザール川で仮死状況で発見されるも昏睡状態

  13. 訃報 〓 アンネローゼ・シュミット(85)ドイツのピアニスト

  14. ベルリン発 〓 ベルリン・フィルが空席の首席ホルン奏者に中国の24歳、ユン・ゼンを採用

  15. ドレスデン発 〓 モーリッツブルク音楽祭が開幕

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。