ウクライナのキーウ交響楽団(Kyiv Symphony Orchestra)が自国出身の指揮者オクサーナ・リーニフ(Oksana Lyniv)を首席客演指揮者に迎えると発表した。キーウ響は現在、ドイツ・ケルン近郊のモンハイム=アム=ラインに拠点を移して活動している。就任後の1月12日、同じ故郷に生まれたオーストリア系ユダヤ人の作曲家ヨーゼフ・ロートの生誕130周年を記念したコンサートを、ドイツ・デュッセルドルフのシナゴーグで指揮している。
リーニフはブロードィ生まれの47歳。2021年のバイロイト音楽祭では《さまよえるオランダ人》を指揮、音楽祭史上初の女性指揮者となった後、2021/2022シーズンからイタリアのボローニャ市立歌劇場の音楽監督を務めている。ロシアのウクライナへの武力侵攻後、欧米各国に母国への支援を最も強く訴えている音楽の一人。
キーウ響とは昨年6月のウィーン芸術週間で、ウィーンのコンツェルトハウスでイーヴェン・スタンコヴィチのレクイエム《バビ・ヤール》を指揮。8月にはワイマール芸術祭で、ワイマール近郊にあったブーヘンヴァルト強制収容所の犠牲者を追悼するコンサートを指揮している。
就任に当たりリーニフは「私は長年にわたり、キーウ響と定期的にコラボレーションを行ってきました。特にロシアによるウクライナ侵攻という暗黒の時代において、このオーケストラは自国の文化大使として相応しい存在であり、ヨーロッパの主要な舞台で豊かなウクライナ音楽の伝統を披露しています。この使命を支援することは、私にとって非常に意義深いことであり、今後のコンサートをとても楽しみにしています」と述べている。
Oksana Lyniv
モンハイム=アム=ライン発 〓 オクサーナ・リーニフがウクライナのキーウ響の首席客演指揮者に
2025/01/15
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