パリ発 〓 パリ国立オペラのトップ交代は9月に前倒し

2020/08/27
【最終更新日】2024/03/03

総裁交代を前倒しで−。フランス文化省が26日、ステファン・リスナー(Stephane Lissner)総裁が月末に辞任することを発表した。後任に決定しているアレクサンダー・ニーフ(Alexander Neef)が予定より早く、2020年9月1日から就任することも明らかにした。

リスナーは現在、67歳。総裁に就任したのは2014年で、任期は2021年の夏まである。しかし、2021年1月1日からナポリのサンカルロ劇場の芸術監督に就任することが決まっていること、昨年末からのゼネストやコロナ禍でパリ国立オペラが活動休止状態にあることもあり、6月の時点で前倒しのバトンタッチを政府に申し出ていた。

カナディアン・オペラ・カンパニーの総監督を2008年から務めるニーフはドイツ生まれの46歳。エバーハルト・カール大学テュービンゲン卒業後、ザルツブルク音楽祭の“中興の祖”と知られるジェラール・モルティエに見出されて制作チームに加わってオペラ界で活動をスタートさせた。

その後、ザルツブルク音楽祭、パリ国立オペラ、ルール・トリエンナーレ、ニューヨーク・シティ・オペラでプロダクション・マネージャーなどを歴任。カナディアン・オペラ・カンパニーの総監督は2020/2021シーズンを最後に離任することが決まっている。

パリ国立オペラのストとコロナ禍による損失は、4,500万ユーロ(約56億5,000万円)に上っており、ニーフは就任早々、活動の正常化、巨額赤字の解消という難問に取り組みことになる。

写真:Teatro di San Carlo


関連記事

  1. ワルシャワ発 〓 第19回「ショパン国際ピアノ・コンクール」は米国のエリック・ルーが優勝、入賞者の多くが中華系ピアニストという結果に。日本勢は桑原志織が4位分け合う

  2. ブリュッセル発 〓 モネ劇場が無料のストリーミング配信を開始、その名も“ストリーミング・フェスティバル”

  3. トロント発 〓 カナディアン・オペラ・カンパニーが2025/2026シーズンの公演ラインナップを発表

  4. 広島発 〓 広島響の次期音楽監督にクリスティアン・アルミンク

  5. 訃報 〓 アンドレ・プレヴィン(89)米国の指揮者・作曲家・ピアニスト

  6. ヘルシンキ発 〓 第12回「シベリウス国際ヴァイオリン・コンクール」はヤン・インモが優勝

  7. シカゴ発 〓 リリック・オペラの次期音楽監督にエンリケ・マッツォーラ

  8. ベルリン発 〓 ドナルド・ラニクルズがベルリン・ドイツ・オペラとの契約を延長

  9. モスクワ発 〓 フェドセーエフがチャイコフスキー記念大交響楽団の首席指揮者兼音楽監督を退任、後任に若手アルセンティ・トカチェンコ

  10. ウィーン発 〓 バレンボイムが体調崩してウィーン・フィルのコンサートをキャンセル、指揮の代役はコンサート・マスターのフォルクハルト・シュトイデ

  11. ウィーン発 〓 国立歌劇場が代役を確保できず、アリベルト・ライマンの《メデア》の再演を断念

  12. ブカレスト発 〓 指揮者のクリスティアン・マチェラルが母国のエネスク国際音楽祭の芸術監督に

  13. ウィーン発 〓 ウィーン国立歌劇場が4月後半のストリーミング配信のラインナップを発表

  14. シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭 〓 今年の「レナード・バーンスタイン賞」にエミリー・ダンジェロ

  15. パリ発 〓 パリ国立オペラが「ウクライナ支援コンサート」

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。