ロンドン発 〓 「グラモフォン賞」に新設された「オーケストラ・オブ・ザ・イヤー」にシアトル交響楽団

2018/09/15
【最終更新日】2019/10/17

英国のクラシック音楽専門誌「グラモフォン」による「グラモフォン・アワード(Gramophone Classical Music Awards)2018」の授賞式が13日、ロンドン市内で行われた。賞は1977年の創設で、前年1年の録音が対象。10部門あり、クラシック音楽界で最も権威のある賞の一つ。「グラモフォン」誌の批評家などを中心に、放送局や音楽業界のさまざまなメンバーによって選出されている。授賞式では今年から新設された賞「オーケストラ・オブ・ザ・イヤー」が発表され、米国のシアトル交響楽団(Seattle Symphony Orchestra)が受賞した。

「オーケストラ・オブ・ザ・イヤー」は2017年6月から2018年5月の間に録音され、傑出したアルバムを送り出したオーケストラが対象で、選考委員だけで選ぶ他の賞と違い、一般からの投票で選ばれるのが特徴。ノミネートはバイエルン放送交響楽団やロンドン交響楽団など8つの団体で、シアトルは交響楽団以外はすべてヨーロッパのオーケストラだった。シアトル交響楽団は投票総数(24,151)のうち41.8%を獲得、他を引き離しての受賞。

シアトル交響楽団の創設は1903年。コンサート以外にシアトル歌劇場のピットにも入り、オペラの演奏も手掛ける。1985年から2011年までジェラード・シュワルツが長く音楽監督を務め、20世紀アメリカ人作曲家の作品の発掘に注力。現在の音楽監督はルドヴィーク・モルロー(Ludovic Morlot)。モルローは1973年、フランスのリヨン生まれ。シアトル交響楽団は独自レーベル「Seattle Symphony Media」を持ち、今回はアイヴズやメシアンのアルバムが高く評価されている。

写真:Seattle Symphony

    詳細はこちら ▷


関連記事

  1. ウィーン発 〓 国立歌劇場が2022年の「オーパンバル」開催を憂慮、新型コロナウイルスの感染再拡大受けて

  2. ウィーン発 〓 オーストリア音楽劇場賞の受賞式が市庁舎で

  3. 訃報 〓 ルイ・アンドリーセン(82)オランダの作曲家

  4. 訃報 〓 ロザンナ・カンテリ(89)イタリアのソプラノ歌手

  5. ハレ発 〓 アリアーヌ・マティアクが半年足らずで音楽総監督を辞任

  6. デュッセルドルフ発 〓 ライン・ドイツ・オペラが新シーズン、2022/2023シーズンの公演ラインナップを発表

  7. マンチェスター発 〓 英国のハレ管弦楽団が新しい指揮者コンクール

  8. ベルリン発 〓 ベルリン州立歌劇場が2020/2021シーズンの公演ラインナップを発表

  9. サクラメント発 〓 ホログラムで再現されたマリア・カラスがオーケストラと共演

  10. ブリュセル発 〓 ベルギー国立管のコンサートマスターに赤間美沙子

  11. マドリッド発 〓 テアトロ・レアルが新制作のプッチーニ《トスカ》をストリーミング配信

  12. 訃報 〓 グラハム・クラーク(81)英国のテノール歌手

  13. アテネ発 〓 ギリシャ国立オペラが新制作の《ドン・ジョヴァンニ》をストリーミング配信

  14. ナント発 〓 国立ロワール管が新シーズンのラインナップ発表を見送り

  15. ザールブリュッケン発 〓 ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルの首席クラリネットに19歳の小林りゅうた

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。