チェコ出身のピアニスト、ジョセフ・ブルバ(Josef Bulva)が12日、モナコの自宅で亡くなった。77歳だった。キャリアの断絶に繋がる2度の事故を乗り越え、演奏活動を続けたことで知られる。
第2次大戦中の1943年、ブルノ生まれ。ナパイェドラの音楽学校でヴァーツラフ・ランカに師事、13歳でデビューを飾った。その演奏はヨアヒム・カイザーらによってヨーロッパで高い評価を集めた。
しかし、1971年に事故に逢い、1年間の活動を余儀なくされる。その事故をきっかけにして、音楽のへの思いを見つめ直した結果、翌年1972年にルクセンブルクに亡命。活動の場を広げる一方、RCAレーベルを中心に数多くの録音を行った。
1996年、今度は凍った道で滑って転んで左手を負傷、一度は引退を決意したという。しかし、手術とリハビリを繰り返し、2009年に楽壇に復帰。ペダルを改造した特製のスタインウェイを使って演奏活動を続けていた。
ショパン、リスト、チャイコフスキーを中心にレパートリーは幅広く、リストのハンガリー狂詩曲第2番やワーグナーの《タンホイザー》序曲などには、彼独自のアレンジが残されている。
写真:josefbulvasociety.com
訃報 〓 ジョセフ・ブルバ(77)チェコ出身のピアニスト
2020/08/26
【最終更新日】2023/02/06
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