ロシア文化省が現在建設中のセヴァストポリ国立オペラ・バレエ劇場の芸術監督にロシアのバス歌手イルダール・アブドラザコフ(Ildar Abdrazakov)を迎えると発表した。
アブドラザコフはウクライナへの武力侵攻を進めるプーチン大統領の支持、多くの欧米の歌劇場が出演を見合わせてきた。セヴァストポリはクリミア半島南西部、黒海に面したウクライナの港湾都市。2014年2月の武力占領後、ロシアによる実効支配が続いている。
アブドラザコフはかつてのバシキール自治ソビエト社会主義共和国(現在のバシコルトスタン共和国)の首都ウファ生まれの48歳。父親が演出家、母親が画家という家庭に育った。
ウファ国立芸術院を卒業してバシキール国立オペラ・バレエ劇場のメンバーに。1990年代後半には、「グリンカ国際声楽コンクール」、リムスキー=コルサコフ国際コンクール」、「エレーナ・オブラスツォワ国際コンクール」などで相次いで優勝した。
その後、1998年にモーツァルト《フィガロの結婚》のタイトルロールを歌ってサンクト・ペテルブルクのマリインスキー劇場にデビュー。2000年にパルマで行われた「マリア・カラス国際テレビジョン・コンクール」で優勝した。
それをきっかけに国際的な活動をスタートさせ、2001年にはロッシーニ《モイーズとファラオン》に主演して、ミラノ・スカラ座にもデビューし、それからは著名な歌劇場から引っ張りだこの活躍を続けている。
写真:Ildar Abdrazakov
セヴァストポリ発 〓 ロシア文化省が建設中のセヴァストポリ国立オペラ・バレエ劇場の芸術監督にイルダール・アブドラザコフ
2024/12/14
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