訃報 〓 フランツ・マズラ(95)オーストリアのバス・バリトン歌手

2020/01/25
【最終更新日】2023/02/16

オーストリアのバス・バリトン歌手フランツ・マズラ(Franz Mazura)が23日、ドイツ・マンハイムの自宅で95歳で亡くなった。ウィーン国立歌劇場やメトロポリタン歌劇場、パリ国立オペラなど国際的な舞台で活躍。1980年には「宮廷歌手」の称号を贈られている。昨年の4月には、ダニエル・バレンボイムが指揮するベルリン州立歌劇場の《ニュルンベルクのマイスタージンガー》でハンス・シュワルツの役を演じ、公演中に95歳の誕生日を迎えていた。

オーストリア・ザルツブルクの生まれで、ドイツ・デトモルトの音楽アカデミーで学んだ後、1​​949年にカッセル州立劇場で歌手デビューした。その後、マインツ市立劇場とブラウンシュヴァイク州立劇場を経て、1964年から1987年までマンハイム国立劇場のメンバー。1980年にニューヨーク・メトロポリタン歌劇場にベルクの《ルル》のシェーン博士を歌ってデビュー、その後も《パルシファル》や《ニーベルングの指環》を含むワーグナー作品で出演を重ねた。

また、著名な音楽祭への出演も多く、1975年から1995年までドイツ・バイロイト音楽祭には定期的に出演。《パルシファル》のクリングソール、《タンホイザー》のビテロルフ、《トリスタンとイゾルデ》でマルケ王などの役を演じた。また、ザルツブルク音楽祭では、《フィデリオ》のドン・ピサロ、《トスカ》のスカルピア、《サロメ》のヨカナーンの役を演じている。録音への参加も多数。

写真:Manfred Rinderspacher


関連記事

  1. モスクワ発 〓 ボリショイ劇場の総支配人らモスクワの芸術家がプーチン大統領に「ウクライナでの特殊作戦」停止を求める請願書を提出

  2. 別府発 〓 第22回のアルゲリッチ音楽祭は来年にそのまま延期

  3. ブレーメン発 〓 市立劇場の次期音楽総監督にシュテファン・クリンゲレ

  4. ニュルンベルク発 〓 州立劇場が音楽総監督のローランド・ベーアとの契約を延長

  5. ロンドン発 〓 イングリッシュ・ナショナル・オペラの芸術監督にアンニリース・ミスキモン

  6. ドレスデン発 〓 ティーレマンが復活祭時期に新しい音楽祭 !?

  7. ストックホルム発 〓 ロイヤル・ストックホルム・フィルが聴衆なしの3回のコンサートを配信

  8. ハンブルク発 〓 ハンブルク州立歌劇場が2020/2021シーズンの公演ラインナップを発表

  9. 松本発 〓 小澤征爾が4年ぶりにサイトウ・キネン・オーケストラを指揮、演奏は宇宙の若田光一飛行士へライブ配信

  10. ウィーン発 〓 フォルクスオーパーが2021/2022シーズンの公演ラインナップを発表

  11. トゥールーズ発 〓 キャピトル国立管が音楽監督を辞任したトゥガン・ソヒエフに「名誉指揮者」の称号

  12. ウィーン発 〓 国立歌劇場が2021/2022シーズンの公演ラインナップを発表

  13. ベルリン発 〓 バレンボイムがベルリン・シュターツカペレの北米ツアーの指揮をキャンセル

  14. モントリオール発 〓 テノールのベン・ヘップナーがラジオのパーソナリティーからの“卒業”を表明、メディア・プレゼンターに転身

  15. ハンブルク発 〓 シルヴァン・カンブルランが首席指揮者を務めるハンブルク響との契約を延長

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。