バンベルク発 〓 バンベルク響が2020/2021シーズンの公演ラインナップを発表、6月に日本ツアーも

2020/05/02
【最終更新日】2020/05/03

ドイツ・バイエルン州バンベルクを本拠地とするバンベルク交響楽団(Bamberger Symphoniker)が2020/2021シーズンの公演ラインナップを発表した。

新シーズンは1945年の設立の楽団にとって創設75周年という節目の年。シーズンの開幕は8月31日で、2016/2017シーズンから首席指揮者を務めるヤクブ・フルシャ(Jakub Hrůša)に率いられてベルリン音楽祭へ客演する。

「アーティスト・イン・レジデンス」はヴァイオリンのパトリツィア・コパチンスカヤ(Patricia Kopatchinskaja)。

新シーズンは二つの海外ツアーが予定されており、開幕直後の9月に南米ツアーが行われる。22日から28日にかけてサンパウロ、リオデジャネイロ、モンテビデオ、ブエノスアイレスを回る。

二つ目は6月で、20日から30日にかけて日本、台湾を訪問する。1968年の初来日以来、日本ツアーは16回目。今回のツアーでは5回の演奏会が計画されているが、日本ではこれまでに125回の演奏会を行っており、海外で行った約1,200の演奏会の一割以上を占めるという。

客演する指揮者の顔ぶれもバラエティ豊か。ユッカ=ペッカ・サラステ、サントゥ=マティアス・ロウヴァリ、ファンホ・メナ、クリスティアン・マチェラル、マンフレート・ホーネック、ジョヴァンニ・アントニーニ、グスターボ・ヒメノ、バーバラ・ハンニガンといった顔ぶれで、これに名誉指揮者を務めるヘルベルト・ブロムシュテット、クリストフ・エッシェンバッハが加わる。

日本人アーティストの出演も多い。11月にはベートーヴェンの三重協奏曲に五明カレンが登場する他、サントゥ=マティアス・ロウヴァリ指揮のコンサートでピアノのアリス=紗良・オットがグリーグのピアノ協奏曲に取り組む。2月にはフルシャ指揮のコンサートに内田光子が登場。こちらはベートーヴェンの協奏曲第1番を弾く。

楽団の前身は、1940年にナチス・ドイツ支配下のベーメン・メーレン保護領(現在のチェコ領)のドイツ系住民によって創立されたプラハ・ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団。戦後、敗戦で居住地を追われたメンバーがバンベルグに集結、活動をスタートさせた。

1949年には、プラハ・ドイツ・フィル時代の首席指揮者だったヨーゼフ・カイルベルトも復帰。その後も名匠オイゲン・ヨッフム、ホルスト・シュタインたちの薫陶を受け、人口が10万人に満たない街のオーケストラながら、バイエルン州立のオーケストラとなり、トップ・リーグの一角を占めている。

写真:Bamberger Symphoniker

もっと詳しく ▷

関連記事

  1. ウィーン発 〓 ウィーン国立歌劇場が4月後半のストリーミング配信のラインナップを発表

  2. ワルシャワ発 〓 台湾政府がショパン国際ピアノ・コンクールに抗議、国名表記めぐり

  3. パリ発 〓 ハーディングの後任にクラウス・マケラ、パリ管の次期音楽監督

  4. 訃報 〓 フレデリック・L・ヘムケ(83)米国のサクソフォン奏者

  5. モスクワ発 〓 ボリショイ劇場の総支配人らモスクワの芸術家がプーチン大統領に「ウクライナでの特殊作戦」停止を求める請願書を提出

  6. 東京発 〓 新国立劇場がオペラ部門の芸術監督を務める大野和士との契約を延長

  7. ベルリン発 〓 作曲家のジョン・ウィリアムズが指揮者として今度はベルリン・フィルにデビュー

  8. ニース発 〓 ニース・オペラが新しい音楽監督にダニエレ・カッレガーリ

  9. ニューヨーク発 〓 リンカーンセンターが2021年春のシーズンをキャンセル

  10. バイロイト発 〓 ジョン・ルンドグレンが《さまよえるオランダ人》からも降板、バイロイト音楽祭の出演をすべてキャンセル

  11. ストラスブール発 〓 初演200年を迎えた《第九》を、「Arte」が4都市4オーケストラの映像を繋いで放送

  12. パリ発 〓 ゼネスト、パリ国立オペラを直撃

  13. 京都発 〓 指揮者の広上淳一が京都コンサートホールの館長に

  14. 上海発 〓 第3回「上海アイザック・スターン国際ヴァイオリン・コンクール」の本選はオンライン審査へ

  15. トロント発 〓 カナディアン・オペラ・カンパニーが2020/2021シーズンをキャンセル

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。