ドイツ・バイエルン州バンベルクを本拠地とするバンベルク交響楽団(Bamberger Symphoniker)が2020/2021シーズンの公演ラインナップを発表した。
新シーズンは1945年の設立の楽団にとって創設75周年という節目の年。シーズンの開幕は8月31日で、2016/2017シーズンから首席指揮者を務めるヤクブ・フルシャ(Jakub Hrůša)に率いられてベルリン音楽祭へ客演する。
「アーティスト・イン・レジデンス」はヴァイオリンのパトリツィア・コパチンスカヤ(Patricia Kopatchinskaja)。
新シーズンは二つの海外ツアーが予定されており、開幕直後の9月に南米ツアーが行われる。22日から28日にかけてサンパウロ、リオデジャネイロ、モンテビデオ、ブエノスアイレスを回る。
二つ目は6月で、20日から30日にかけて日本、台湾を訪問する。1968年の初来日以来、日本ツアーは16回目。今回のツアーでは5回の演奏会が計画されているが、日本ではこれまでに125回の演奏会を行っており、海外で行った約1,200の演奏会の一割以上を占めるという。
客演する指揮者の顔ぶれもバラエティ豊か。ユッカ=ペッカ・サラステ、サントゥ=マティアス・ロウヴァリ、ファンホ・メナ、クリスティアン・マチェラル、マンフレート・ホーネック、ジョヴァンニ・アントニーニ、グスターボ・ヒメノ、バーバラ・ハンニガンといった顔ぶれで、これに名誉指揮者を務めるヘルベルト・ブロムシュテット、クリストフ・エッシェンバッハが加わる。
日本人アーティストの出演も多い。11月にはベートーヴェンの三重協奏曲に五明カレンが登場する他、サントゥ=マティアス・ロウヴァリ指揮のコンサートでピアノのアリス=紗良・オットがグリーグのピアノ協奏曲に取り組む。2月にはフルシャ指揮のコンサートに内田光子が登場。こちらはベートーヴェンの協奏曲第1番を弾く。
楽団の前身は、1940年にナチス・ドイツ支配下のベーメン・メーレン保護領(現在のチェコ領)のドイツ系住民によって創立されたプラハ・ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団。戦後、敗戦で居住地を追われたメンバーがバンベルグに集結、活動をスタートさせた。
1949年には、プラハ・ドイツ・フィル時代の首席指揮者だったヨーゼフ・カイルベルトも復帰。その後も名匠オイゲン・ヨッフム、ホルスト・シュタインたちの薫陶を受け、人口が10万人に満たない街のオーケストラながら、バイエルン州立のオーケストラとなり、トップ・リーグの一角を占めている。
写真:Bamberger Symphoniker
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