ウィーン発 〓 演出家のマルティン・クシェイがブルク劇場の芸術監督を退任

2022/12/24

ウィーンのブルク劇場の芸術監督を務めている演出家のマルティン・クシェイ(Martin Kušej)の退任が決まった。クシェイは2019年からその任にあり、任期1期での退任となる。現地での報道をまとめると、次期監督についてはクシェイを含めた15人が候補に上がっていたが、再任決定が遅れていることにクシェイがしびれを切らして自ら退任を発表した格好。

クシェイは1962年、ヴォルフスベルク生まれの61歳。オーストリア・カリンシア州の少数民族であるスロベニア語圏生まれで、グラーツ大学などでドイツ語、文学、スポーツ科学を学び、ザルツブルクの州立劇場、リュブリャナのスロベニア国立劇場の演出助手などを務め、その後、スロベニア、オーストリア、イタリア、ドイツでフリーランスとして活動した。

オペラの演出は1996年、シュトゥットガルト州立劇場でパーセル《アーサー王》を手掛けたのが最初。その後、シュトゥットガルトの専属演出家、ザルツブルク音楽祭の演劇部門の芸術監督を務め(2004-2006)などを経て、フリーランスの活動を続け、その後に現職。ブルク劇場はハプスブルク帝国以来、270年を超える伝統を持つ国立劇場。

写真:Salzburger Festspiele /  Alessandra Schellnegger


関連記事

  1. モスクワ発 〓 ロシアのヴォロージン下院議長がウクライナ侵略の停止をプーチン大統領に求めた文化人たちを批判

  2. デュッセルドルフ発 〓 アダム・フィッシャーが首席指揮者を務めるデュッセルドルフ響との契約を延長

  3. チューリッヒ発 〓 ゲザ・アンダ国際ピアノコンクールはロシアのイリヤ・シュムクレールが優勝

  4. ロンドン発 〓 英国でも公演のキャンセル、劇場の閉鎖始まる。新型コロナの感染再拡大で

  5. 訃報 〓 ヘルムート・ヴィンシャーマン(101)ドイツの指揮者・オーボエ奏者

  6. バルセロナ発 〓 アラーニャ、クルザク夫妻がリセウ大劇場の《トスカ》から撤退、理由は「卑猥な演出」

  7. ザルツブルク発 〓 復活祭音楽祭が2024年の開幕前に2025年の概要を発表

  8. ロンドン発 〓 エンシェント室内管の音楽監督にローレンス・カミングス

  9. リヨン発 〓 ソプラノのナタリー・デセイ、2025年をもってクラシック音楽界からの引退を発表

  10. ニューヨーク発 〓 ネトレプコの米国復帰めぐり、メトロポリタン歌劇場のゲルブ総裁と本人が応酬

  11. ウィーン発 〓 来年の「ニューイヤー・コンサート」は史上初の無観客で

  12. パレルモ発 〓 マッシモ劇場が2024/2025シーズンの公演ラインナップを発表

  13. ニューヨーク発 〓 メトロポリタン歌劇場の新しい《指環》に暗雲、共同制作のイングリッシュ・ナショナル・オペラへの助成削減で

  14. アムステルダム発 〓 コンセルトヘボウが2025年にホール主催の「マーラー音楽祭」、ルイージ率いるN響も参加

  15. ベルリン発 〓 ベルリン・シュターツカペレが11月のヨーロッパ・ツアーを中止

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。