訃報 〓 アレクサンドル・ヴスティン(77)ロシアの作曲家

2020/04/20
【最終更新日】2023/02/16

ロシアの作曲家アレクサンドル・ヴスティン(Alexander Vustin)が19日、77歳で亡くなった。作品はアレクサンドル・ラザレフやギドン・クレーメルたちによって取り上げられており、作曲に14年をかけて1989年に書き上げたオペラ《恋する悪魔》が2019年2月に世界初演されたばかり。

モスクワ音楽院でヴラジーミル・フェレーに師事。1969年に修了した後、「全ソ連ラジオ」の音楽編集者となり、1974年からはモスクワの楽譜出版社「ソヴェツキー・コンポジトル」の編集者として勤務した。

本人は作曲家活動の開始時期を1972年としているが、1970年代半ばから旺盛な活動を展開。1975年には、恩師グリゴリー・フリートに献呈された木管楽器と金管楽器、打楽器のための8分ほどの作品《ことば》が発表された。

1977年にはバリトンと弦楽四重奏のために作曲された3分ほどの長さの《ボリス・クリュズネルを偲んで》を発表。1988年には、マタイ福音書第5章をベースにしたボーイ・ソプラノと室内アンサンブルのための《魂の貧しき者に幸いあれ》が初演されている。

1989年には、作曲家のエディソン・デニソフ(Edison Denisov)が起ち上げた新しい現代音楽協会「AFM-2」に参加。その作品はオランダ・フェスティバル、ドナウエッシンゲン音楽祭、ロッケンハウス音楽祭など、西側でも積極的に演奏されてきた。

写真:Liv Øvland / Rosendal Kammermusikkfestival





関連記事

  1. ドレスデン発 〓 ザクセン州立歌劇場が2020/2021シーズンの公演ラインナップを発表

  2. ロンドン発 〓 ブリン・ターフェルがイングリッシュ・ナショナル・オペラ存続のための嘆願活動

  3. 広島発 〓 広島響の次期音楽監督にクリスティアン・アルミンク

  4. ライプツィヒ発 〓 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団が5月の「マーラー・フェスティバル」を2023年に延期

  5. 訃報 〓 フレデリック・L・ヘムケ(83)米国のサクソフォン奏者

  6. コシツェ発 〓 文化大臣が国立劇場と国立美術館の館長を解任したことにスロヴァキアで大きな反発、コシツェ国立フィルの首席指揮者が抗議の辞任

  7. ミュンヘン発 〓 永田音響設計が「ガスタイク」の音響設計を担当

  8. アムステルダム発 〓 エド・デ・ワールトに改めて「副指揮者」の称号

  9. ドレスデン発 〓 ザクセン州立歌劇場が2021/2022シーズンの公演ラインナップを発表

  10. マドリッド発 〓 テアトロ・レアルが公演をキャンセル、なんと積雪で

  11. ニューヨーク発 〓 メトロポリタン歌劇場が14日に特別コンサート、ウクライナへの連帯を全世界に発信

  12. ニューヨーク発 〓 カーネギーホールがゲルギエフに“追加制裁”、5月のマリインスキー管との公演もキャンセル

  13. 訃報 〓 レイモンド・レッパード(92)英国の指揮者

  14. チューリッヒ発 〓 チューリッヒ歌劇場が2020/2021シーズンの公演ラインナップを発表

  15. ベルリン発 〓 ベルリン・シュターツカペレが無料の“出前コンサート”

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。