ロサンゼルス発 〓 ガーセッティ市長がイベントの年内解禁に疑問符

2020/04/19

米国ロサンゼルス市のエリック・ガーセッティ(Eric Garcetti)市長のCNNのインタビューに対する発言が波紋を広げている。

現地での報道を総合すると、新型コロナウイルスの感染拡大の対応に追われる市長は「数千人が集まる光景がすぐに到来することを想像するのは難しい。今年はそういう事態に備えるべき」と発言。スポーツ・イベントやコンサートなどの開催を2021年まで解禁しない可能性を示唆した。

早くても年明けになると予想されている治療薬やワクチンの登場まで、多くの人が集まるイベントの解禁は難しいという見方が市長の発言で提示された格好。

米国では、5月1日まで全国的に大規模イベントの開催禁止や劇場の封鎖が行われているが、カリフォルニア州は閉鎖をさらに15日まで封鎖を延長する方針を既に打ち出している。

カリフォルニア州の感染状況は4月15日現在、感染者23,338名、死亡者758名。ロサンゼルスでは10,047人の感染が判明、360人が命を落としている。

音楽界では、ロサンゼルス・オペラ、ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団ともに2019/2020シーズンの残りの公演をすべてキャンセルした。

このため、ロサンゼルス・フィルは101人のオーケストラ・メンバーの減給を決め、4月20日からは基本給の65%支給とした上、94人のパートタイマーについてはレイオフに踏み切っている。音楽監督のグスターボ・ドゥダメル(Gustavo Dudamel)もキャンセルされた公演分の報酬を返上した。

9月の2020/2021シーズン幕開で仕切り直し、という計画も、現時点では厳しいとの見方も浮上。オペラ界、オーケストラ界は一段と厳しい状況に追い込まれそうだ。

写真:Mayor Eric Garcetti / coronavirus.lacity.org


関連記事

  1. チューリッヒ発 〓 チューリッヒ歌劇場が2020/2021シーズンの公演ラインナップを発表

  2. ウィーン発 〓 国立歌劇場がファン・ディエゴ・フローレスの降板でライブ・ストリーミングを中止

  3. プラガ発 〓 マリア・ジョアン・ピレシュが軽度の脳梗塞で当面のコンサートをキャンセル

  4. シュトゥットガルト発 〓 シュトゥットガルト州立劇場が新制作の《ラインの黄金》をライブ・ストリーミング

  5. 訃報 〓 アントン・コッポラ(102)米国の指揮者、作曲家

  6. ウィーン発 〓 国立歌劇場が3月第2週のストリーミングのラインナップを発表

  7. チューリッヒ発 〓 チューリッヒはワクチン証明か、その場での検査陰性で入場可

  8. ウィーン発 〓 ウィーン・フィルが総裁二人に名誉会員の称号

  9. 訃報 〓 エフゲニー・ネステレンコ(83)ロシアのバス歌手

  10. モントリオール発 〓 テノールのジョセフ・カイザーが来年まで出演をキャンセル

  11. ニューヨーク発 〓 メトロポリタン歌劇場の新しい《指環》に暗雲、共同制作のイングリッシュ・ナショナル・オペラへの助成削減で

  12. ローマ発 〓 イヴァン・フィッシャーがEUユース管の首席指揮者に

  13. ベルリン発 〓 第2ヴァイオリンの首席にマレーネ・イトウ、ベルリン・フィル

  14. ボーフム発 〓 ルール・トリエンナーレの芸術監督に演出家のイヴォ・ヴァン・ホーヴェ

  15. ブラウンシュヴァイク発 〓 州立劇場が《蝶々夫人》のポスター・デザインを変更、旭日旗を連想させるという抗議受け

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。