ロシアのクラリネット奏者イヴァン・モズゴヴェンコ(Ivan Mozgovenko)が2021年12月31日に亡くなった。97歳だった。「人民芸術家」の称号を贈られた名演奏家で、母校のグネーシン音楽大学で後進を指導、数多くの人材を音楽界に送り出したことで知られる。
1924年、カスピ海の北西にあるカルムイク共和国ヤシャタ村の生まれ。1931年に家族全員でウラル山脈の東側にあるニジニ・タギルに強制的に移住させられたが、1939年からスヴェルドロフスク音楽大学でクラリネットを学んだ。しかし、第2次世界大戦の勃発で従軍。1943年からウラル義勇軍戦車隊に加わり、医療大隊に所属してベルリン攻防戦に参加した。
1946年、モスクワのグネーシン音楽大学に入学して再びクラリネットを学び、卒業した1951年にベルリンでの行われた国際コンクールで優勝。1953年から1968年にかけてソ連映画撮影委員会の交響楽団のソリストを務めた。そのかたわら、ボロディン弦楽四重奏団をはじめとする室内アンサンブルと録音を重ねた。
演奏家として活動する一方、1951年から母校のグネーシン音楽大学で後進の指導に当たり、1980年から教授。1995年に「人民芸術家」、2019年にはモズゴヴェンコ・クラリネット・コンクールも創設され、2020年にはロシア連邦大統領の功績章が贈られている。
写真:Mozgovenko Clarinet Competition
訃報 〓 イヴァン・モズゴヴェンコ(97)ロシアのクラリネット奏者
2022/01/11
【最終更新日】2023/02/06
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