訃報 〓 周文中(96)アメリカの作曲家・教育者

2019/10/28
【最終更新日】2023/02/16

アメリカの作曲家、教育者の周文中(しゅう・ぶんちゅう / Chou Wen-chung / Zhōu Wénzhōng)が25日、ニューヨークで亡くなった。96歳だった。中国・山東省の煙台生まれ。建築家を志して重慶大学で学び、国共内戦中の1946年に渡米したが、渡米後に音楽の道に進み、1946年から1949年にかけてニューイングランド音楽院でニコラス・スロニムスキーに師事した。その後、コロンビア大学でオットー・ルーニングに学んだ。1958年にアメリカの市民権を獲得。1964年から母校で教鞭を執り(〜1991)、音楽学科の学部長も務めた。

1949年、電子音楽の先駆者として知られエドガー・ヴァレーズ(1883〜1965)と出会い、以後16年間、師として友人として信頼関係を築いたことで知られる。グリニッジ・ヴィレッジにある元ヴァレーズ邸に住み、遺作の管理人となって、《ノクターナル》の補筆完成などを行った。中国の詩や絵画、書道、易経などを取り入れた独自の作風を持ち、代表作に《柳色新たなり – The Willows are New》、《暗喩 – Metaphors》、《草書体 – Cursive》、《漁歌 – Yu̎ Ko》、《Eternal Pine》などがある。

写真:chouwenchung.org


    もっと詳しく ▷


関連記事

  1. セビリア発 〓 セビリア王立響の次期首席指揮者にルーカス・マシアス=ナバロ

  2. ビトリア=ガステイス発 〓 ロバート・トレヴィーノがバスク国立管の音楽監督を退任

  3. ヴィースバーデン発 〓 パトリック・ランゲが任期残してヘッセン州立劇場の音楽総監督を退任、芸術総監督との方向性合わず

  4. ワシントン発 〓 ケネディー・センターがナショナル響の楽団員をレイオフ

  5. アトランタ発 〓 音楽監督のナタリー・シュトゥッツマンとの契約を延長、アトランタ響

  6. サンフランシスコ発 〓 サンフランシスコ響の新シーズンの開幕公演が合唱団のストでお流れ、サロネンは最後のシーズンの開幕飾れず

  7. ザールブリュッケン発 〓 マックス・オフュルス映画祭の音楽賞にダーシャ・ダウエンハウアー

  8. ダラス発 〓 ダラス響が音楽監督のファビオ・ルイージとの契約を延長

  9. ミュンヘン発 〓 ミュンヘン放送管が首席指揮者イヴァン・レプシッチとの契約を延長

  10. ロンドン発 〓 英国の音楽雑誌「BBCミュージック・マガジン」が年次賞を発表

  11. ハノーファー発 〓 州立劇場の次期音楽総監督にステファン・ジリアス

  12. フィラデルフィア発 〓 マリン・オールソップがフィラデルフィア管の首席客演指揮者に

  13. カーディフ発 〓 指揮者のトーマス・ハヌスがウェールズ・ナショナル・オペラとの契約を延長

  14. ベルン発 〓 チェロのソル・ガベッタに「スイス・グランプリ・ミュージック」賞

  15. ブカレスト発 〓 「ジョルジュ・エネスク国際コンクール」のチェロ部門で北村陽が優勝

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。