ミラノ・スカラ座(Teatro alla Scala)の2024/2025シーズンの公演ラインナップを発表した。2024/2025シーズンは、現在の総裁ドミニク・マイヤー(Dominique Meyer)にとって最後のシーズン。開幕は例年通り、ミラノの守護聖人・聖アンブロシウスの日の12月7日。
発表によると、新シーズンはレオ・ムスカートが演出を手掛ける新制作のヴェルディ《運命の力》で開幕する。指揮は音楽監督のリッカルド・シャイーで、アンナ・ネトレプコ、ヨナス・カウフマン、ルドヴィク・テジエの三人と、エレナ・スティッキナ、ルチアーノ・ガンチ、アマルトゥブシン・エンクバットが共演するダブル・キャスト。
新制作の中でも注目を集めるのが、フランチェスコ・フィリデイの新作オペラ《薔薇の名前》の世界初演。ウンベルト・エーコの同名小説を元にした作品で、ダミアーノ・ミケレットが新演出を手掛ける。また、ベッリーニ《ノルマ》の復活も話題。なんと上演は48年ぶりになるという。前回はモンセラート・カバリエが演じた主人公のノルマ役にはマリーナ・レベカが起用され、指揮はファビオ・ルイージ。オリヴィエ・ピィが新演出を手掛ける。
その他の新制作には、サリエリの前任者として皇帝ヨーゼフ2世治世下でウィーンの宮廷楽長を務めたガスマンの《オペラ・セリア》の蘇演もある。また、マリオ・マルトーネの新演出によるチャイコフスキー《エフゲニー・オネーギン》はティムール・ザンギエフの指揮。ロバート・カーセン演出のモーツァルト《コジ・ファン・トゥッテ》、シャイーの指揮によるヴァイル三部作の上演もある。
加えて、デイヴィッド・マクヴィカーの新演出、クリスティアン・ティーレマンの指揮で2023/2024シーズンから上演が始まるワーグナー《ニーベルングの指環》の上演は2シーズン目となり、新シーズンには《ワルキューレ》が登場する。
ヴェルディ《運命の力》= 新制作
12月7日ー2025年1月
[演出]レオ・ムスカート
[指揮]リッカルド・シャイー
[出演]アンナ・ネトレプコ ー エレナ・スティッキナ / ヨナス・カウフマン ー ルチアーノ・ガンチ / リュドヴィク・テジエ ー アマルトゥブシン・エンクバット / ヴァシリーサ・ベルジャンスカヤ / アレキサンダー・ヴィノグラードフ ー サイモン・リー
ヴェルディ《ファルスタッフ》
1月16日ー2月7日
[演出]ジョルジョ・ストレーレル
[指揮]ダニエレ・ガッティ
[出演]アンブロージョ・マエストリ / フアン・フランシスコ・ガテル / ローザ・フェオーラ / ロザリア・シッド / マリアンナ・ピッツォラート / ルカ・ミケレッティ
ワーグナー《ワルキューレ》= 新制作
2月5日ー2月23日
[演出]デイヴィッド・マクヴィカー
[指揮]クリスティアン・ティーレマン
[出演]クラウス・フロリアン・フォークト / ギュンター・グロイスベック / ミヒャエル・ヴォッレ / エルザ・ファン・デン・ヘーヴァー / オッカ・フォン・デル・ダメラウ / カミラ・ニールンド
チャイコフスキー《エフゲニー・オネーギン》= 新制作
2月19日ー3月11日
[演出]マリオ・マルトーネ
[指揮]ティムール・ザンギエフ
[出演]アイーダ・ガリフッリーナ / アレクセイ・マルコフ / アリサ・コロソヴァ / エルミナ・ハサン / ユリア・ゲルセワ / ディミトリ・コルチャック / ドミトリー・ウリヤノフ
プッチーニ《トスカ》
3月15日ー4月4日
[演出]オリヴィエ・ピィ
[指揮]ミケーレ・ガンバ
[出演]キアーラ・イゾットン / エレーナ・スティキナ / フランチェスコ・メーリ / ファビオ・サルトーリ / ルカ・サルシ / アマルトゥブシン・エンクバット
ガスマン《オペラ・セリア》= 新制作
3月29日ー4月9日
[演出]ロラン・ペリー
[指揮]クリストフ・ルセ
[出演]ピエトロ・スパニョーリ / マッティア・オリヴィエーリ / ジョヴァンニ・サラ / ジョシュ・ロヴェル / ジュリー・フックス / アンドレア・キャロル / セレーナ・ガンベローニ / アレッシオ・アルドゥーニ / アルベルト・アレグレッツァ / ローレンス・ザッゾ / フィリッポ・ミネッチャ
フランチェスコ・フィリデイ《薔薇の名前》= 世界初演
3月27日ー5月10日
[演出]ダミアーノ・ミケレット
[指揮]インゴ・メッツマッハー
[出演]ルーカス・ミーチェム / ケイト・リンゼー / カトリーナ・ガルカ / ジャンルカ・ブラット / ダニエラ・バルチェローナ / マルコ・フィリッポ・ロマーノ / ロベルト・フロンターリ / ジョルジョ・ベッルージ / オーウェン・ウィレッツ / ジョヴァンニ・サラ / カルロ・ヴィストーリ / レオナルド・コルテッラッツィ
ヴァイル《七つの大罪》《小マハゴニー》《ハッピー・エンド》= 新制作
5月14日ー5月30日
[演出]イリーナ・ブルックス
[指揮]リッカルド・シャイー
[出演]アルマ・サデ / ローレン・ミシェル / エリオット・カールトン・ハインズ / アンドリュー・ハリス / マテウス・シュミトレヒナー / マイケル・スモールウッド / ジェフリー・キャリー
ベッリーニ《ノルマ》= 新制作
6月27日ー7月17日
[演出]オリヴィエ・ピィ
[指揮]ファビオ・ルイージ
[出演]マリーナ・レベカ / フレディ・デ・トマーゾ / ミケーレ・ペルトゥージ / ヴァシリーサ・ベルジャンスカヤ
ロッシーニ《チェネレントラ》
9月6日ー9月19日
[演出]ジャン=ピエール・ポネル(フェデリカ・ステファーニ)
[指揮]ジャンルカ・カプアーノ
[出演]スカラ座アカデミーのメンバー
ヴェルディ《リゴレット》
10月7日ー10月28日
[演出]マリオ・マルトーネ
[指揮]マルコ・アルミリアート
[出演]ヴィットリオ・グリゴーロ / ディミトリ・コルチャック / アマルトゥブシン・エンクバット / レグラ・ミューレマン / フランチェスカ・ピア・ヴィターレ / ジャンルカ・ブラット / マルティーナ・ベッリ
ドニゼッティ《連隊の娘》
10月17日ー11月7日
[演出]ロラン・ペリー
[指揮]エヴェリーノ・ピド
[出演]ジュリー・フックス / ファン・ディエゴ・フローレス / ピエトロ・スパニョーリ / ジェラルディーヌ・ショヴェ / バルバラ・フリットリ
モーツァルト《コジ・ファン・トゥッテ》= 新制作
11月5日ー11月26日
[演出]ロバート・カーセン
[指揮]アレクサンダー・ソディ
[出演]エルザ・ドライジグ / ニーナ・ヴァン・エッセン / サンドリーヌ・ピオー / ルカ・ミケレッティ / ジョヴァンニ・サラ / ジェラルド・フィンリー
写真:Teatro alla Scala / Brescia – Amisano
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