ミラノ発 〓 スカラ座が2024/2025シーズンの公演ラインナップを発表

2024/05/29

ミラノ・スカラ座(Teatro alla Scala)の2024/2025シーズンの公演ラインナップを発表した。2024/2025シーズンは、現在の総裁ドミニク・マイヤー(Dominique Meyer)にとって最後のシーズン。開幕は例年通り、ミラノの守護聖人・聖アンブロシウスの日の12月7日。

発表によると、新シーズンはレオ・ムスカートが演出を手掛ける新制作のヴェルディ《運命の力》で開幕する。指揮は音楽監督のリッカルド・シャイーで、アンナ・ネトレプコ、ヨナス・カウフマン、ルドヴィク・テジエの三人と、エレナ・スティッキナ、ルチアーノ・ガンチ、アマルトゥブシン・エンクバットが共演するダブル・キャスト。

新制作の中でも注目を集めるのが、フランチェスコ・フィリデイの新作オペラ《薔薇の名前》の世界初演。ウンベルト・エーコの同名小説を元にした作品で、ダミアーノ・ミケレットが新演出を手掛ける。また、ベッリーニ《ノルマ》の復活も話題。なんと上演は48年ぶりになるという。前回はモンセラート・カバリエが演じた主人公のノルマ役にはマリーナ・レベカが起用され、指揮はファビオ・ルイージ。オリヴィエ・ピィが新演出を手掛ける。

その他の新制作には、サリエリの前任者として皇帝ヨーゼフ2世治世下でウィーンの宮廷楽長を務めたガスマンの《オペラ・セリア》の蘇演もある。また、マリオ・マルトーネの新演出によるチャイコフスキー《エフゲニー・オネーギン》はティムール・ザンギエフの指揮。ロバート・カーセン演出のモーツァルト《コジ・ファン・トゥッテ》、シャイーの指揮によるヴァイル三部作の上演もある。

加えて、デイヴィッド・マクヴィカーの新演出、クリスティアン・ティーレマンの指揮で2023/2024シーズンから上演が始まるワーグナー《ニーベルングの指環》の上演は2シーズン目となり、新シーズンには《ワルキューレ》が登場する。


ヴェルディ《運命の力》= 新制作
12月7日ー2025年1月
[演出]レオ・ムスカート
[指揮]リッカルド・シャイー
[出演]アンナ・ネトレプコ ー エレナ・スティッキナ / ヨナス・カウフマン ー ルチアーノ・ガンチ / リュドヴィク・テジエ ー アマルトゥブシン・エンクバット / ヴァシリーサ・ベルジャンスカヤ / アレキサンダー・ヴィノグラードフ ー サイモン・リー

ヴェルディ《ファルスタッフ》
1月16日ー2月7日
[演出]ジョルジョ・ストレーレル
[指揮]ダニエレ・ガッティ
[出演]アンブロージョ・マエストリ / フアン・フランシスコ・ガテル / ローザ・フェオーラ / ロザリア・シッド / マリアンナ・ピッツォラート / ルカ・ミケレッティ

ワーグナー《ワルキューレ》= 新制作
2月5日ー2月23日
[演出]デイヴィッド・マクヴィカー
[指揮]クリスティアン・ティーレマン
[出演]クラウス・フロリアン・フォークト / ギュンター・グロイスベック / ミヒャエル・ヴォッレ / エルザ・ファン・デン・ヘーヴァー / オッカ・フォン・デル・ダメラウ / カミラ・ニールンド

チャイコフスキー《エフゲニー・オネーギン》= 新制作
2月19日ー3月11日
[演出]マリオ・マルトーネ
[指揮]ティムール・ザンギエフ
[出演]アイーダ・ガリフッリーナ / アレクセイ・マルコフ / アリサ・コロソヴァ / エルミナ・ハサン / ユリア・ゲルセワ / ディミトリ・コルチャック / ドミトリー・ウリヤノフ

プッチーニ《トスカ》
3月15日ー4月4日
[演出]オリヴィエ・ピィ
[指揮]ミケーレ・ガンバ
[出演]キアーラ・イゾットン / エレーナ・スティキナ / フランチェスコ・メーリ / ファビオ・サルトーリ / ルカ・サルシ / アマルトゥブシン・エンクバット

ガスマン《オペラ・セリア》= 新制作
3月29日ー4月9日
[演出]ロラン・ペリー
[指揮]クリストフ・ルセ
[出演]ピエトロ・スパニョーリ / マッティア・オリヴィエーリ / ジョヴァンニ・サラ / ジョシュ・ロヴェル / ジュリー・フックス / アンドレア・キャロル / セレーナ・ガンベローニ / アレッシオ・アルドゥーニ / アルベルト・アレグレッツァ / ローレンス・ザッゾ / フィリッポ・ミネッチャ

フランチェスコ・フィリデイ《薔薇の名前》= 世界初演
3月27日ー5月10日
[演出]ダミアーノ・ミケレット
[指揮]インゴ・メッツマッハー
[出演]ルーカス・ミーチェム / ケイト・リンゼー / カトリーナ・ガルカ / ジャンルカ・ブラット / ダニエラ・バルチェローナ / マルコ・フィリッポ・ロマーノ / ロベルト・フロンターリ / ジョルジョ・ベッルージ / オーウェン・ウィレッツ / ジョヴァンニ・サラ / カルロ・ヴィストーリ / レオナルド・コルテッラッツィ

ヴァイル《七つの大罪》《小マハゴニー》《ハッピー・エンド》= 新制作
5月14日ー5月30日
[演出]イリーナ・ブルックス
[指揮]リッカルド・シャイー
[出演]アルマ・サデ / ローレン・ミシェル / エリオット・カールトン・ハインズ / アンドリュー・ハリス / マテウス・シュミトレヒナー / マイケル・スモールウッド / ジェフリー・キャリー

ベッリーニ《ノルマ》= 新制作
6月27日ー7月17日
[演出]オリヴィエ・ピィ
[指揮]ファビオ・ルイージ
[出演]マリーナ・レベカ / フレディ・デ・トマーゾ / ミケーレ・ペルトゥージ / ヴァシリーサ・ベルジャンスカヤ

ロッシーニ《チェネレントラ》
9月6日ー9月19日
[演出]ジャン=ピエール・ポネル(フェデリカ・ステファーニ)
[指揮]ジャンルカ・カプアーノ
[出演]スカラ座アカデミーのメンバー

ヴェルディ《リゴレット》
10月7日ー10月28日
[演出]マリオ・マルトーネ
[指揮]マルコ・アルミリアート
[出演]ヴィットリオ・グリゴーロ / ディミトリ・コルチャック / アマルトゥブシン・エンクバット / レグラ・ミューレマン / フランチェスカ・ピア・ヴィターレ / ジャンルカ・ブラット / マルティーナ・ベッリ

ドニゼッティ《連隊の娘》
10月17日ー11月7日
[演出]ロラン・ペリー
[指揮]エヴェリーノ・ピド
[出演]ジュリー・フックス / ファン・ディエゴ・フローレス / ピエトロ・スパニョーリ / ジェラルディーヌ・ショヴェ / バルバラ・フリットリ

モーツァルト《コジ・ファン・トゥッテ》= 新制作
11月5日ー11月26日
[演出]ロバート・カーセン
[指揮]アレクサンダー・ソディ
[出演]エルザ・ドライジグ / ニーナ・ヴァン・エッセン / サンドリーヌ・ピオー / ルカ・ミケレッティ / ジョヴァンニ・サラ / ジェラルド・フィンリー


写真:Teatro alla Scala / Brescia – Amisano


  もっと詳しく ▷


関連記事

  1. ミュンヘン発 〓 ラトルが新ホール建設求め、バイエルン州の音楽家たちと「フラッシュモブ」

  2. ハノーファー発 〓 州立劇場が2024/2025シーズンの公演ラインナップを発表、第2カペルマイスターの熊倉優が新制作の2作品を指揮

  3. 訃報 〓 イヴァン・モズゴヴェンコ(97)ロシアのクラリネット奏者

  4. ウィーン発 〓 2020年の「ニューイヤー・コンサート」のプログラム発表

  5. カーディフ発 〓 BBCウェールズ・ナショナル管の次期首席指揮者にライアン・バンクロフト

  6. 訃報 〓 ロバート・マン(97)米国のヴァイオリニスト、ジュリアード弦楽四重奏団の創設メンバー

  7. ローマ発 〓 ローマ歌劇場が《椿姫》の新作を4月にストリーミング配信

  8. シカゴ発 〓 ラヴィニア音楽祭が中止を発表

  9. 訃報 〓 アンソニー・ペイン(84)英国の作曲家

  10. ベルリン発 〓 レコード賞「オーパス・クラシック」授賞式がコンツェルトハウスで

  11. ベルリン発 〓 ベルリン・フィルに初の女性コンサートマスター、第1ヴァイオリンのヴィネタ・サレイカ=フォルクナーが昇格

  12. パリ発 〓 長引くスト、国立オペラの《セビリアの理髪師》も上演中止

  13. シュトゥットガルト発 〓 コルネリウス・マイスターが音楽総監督を務めるシュトゥットガルト州立劇場との契約を延長

  14. ウィーン発 〓 国立歌劇場の字幕サービスに中国語とスペイン語

  15. 高雄発 〓 台湾の衛武営国立芸術文化センターが《椿姫》を上演

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。