訃報 〓 ジェシー・ノーマン(74)米国のソプラノ歌手

2019/10/01
【最終更新日】2023/02/16

世界的ソプラノ歌手のジェシー・ノーマン(Jessye Norman)が9月30日、入院先のニューヨークの病院で亡くなった。74歳だった。広報担当者の声明によると、2015年に受けた脊髄外傷に伴って起きた敗血症性ショックと多臓器不全が原因。オペラ界で名声を獲得した数少ない黒人オペラ歌手の1人で、オペラ、コンサートに幅広い活動を展開、量感あふれる伸びやかでドラマチックな声で世界を魅了した。

米国ジョージア州オーガスタの生まれで、音楽愛好家の家庭で育ち、4歳からゴスペルを歌ったという。高校卒業後、奨学金を得てハワード大学で声楽を学び、その後、ピーボディ大学、ミシガン大学などで研鑽を積んだ。

1969年、ミュンヘンARD国際音楽コンクールで優勝。直後にベルリン・ドイツ・オペラと3年間の契約を結び、その年の《タンホイザー》エリザベートを歌ってオペラ歌手としてデビューした。

その後、1972年にミラノ・スカラ座にもデビュー。その後、しばらくオペラから遠ざかるが、1983年には100周年を迎えたニューヨーク・メトロポリタン歌劇場にデビューと、著名な歌劇場に出演を重ねた。

1986年には英国のエリザベス英女王の還暦記念祝典に参加。1989年に行われたフランス革命200年記念行事で「ラ・マルセイエーズ」を熱唱した上、200年記念に製作された大作テレビ映画「フランス革命」では、ジョルジュ・ドルリューが手掛けた主題歌を歌っている。

1992年には、バルセロナ五輪の開会式で「アメイジング・グレイス」、1996年には故郷のジョージア州で開かれたアトランタ五輪の開会式でも歌声を披露した。米国大統領就任式の国歌も、ロナルド・レーガン、ビル・クリントンの二人の就任式を担当した。

グラミー賞の受賞は4回。2006年には生涯業績賞の受賞も加わった。また、2009年にはアメリカ政府より授与される最高の芸術賞であるアメリカ国民芸術勲章文化勲章(National Medal of Arts)をオバマ大統領から授与された。フランス芸術文化勲章の最高章コマンドールなど受賞多数。

写真:Rollins College / Scott Cook





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