訃報 〓 アーロン・ローザンド(92)米国のヴァイオリニスト

2019/07/11
【最終更新日】2023/02/16

米国ヴァイオリン界の最長老の一人、アーロン・ローザンド(Aaron Rosand)が9日亡くなった。92歳だった。肺炎が原因という。

1927年、インディアナ州ハモンドの生まれ。父親はポーランド、母親はロシアからの移民で、シカゴで育った。早くからその音楽的才能が注目を集め、10歳の時にメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を弾いてシカゴ交響楽団と共演。その後、シカゴ音楽大学を経て、カーティス音楽院に入学、エフレム・ジンバリストに師事した。

プロ・デビューは1948年、ニューヨークで。1958年にはカーネギー・ホールで初めてのリサイタルを開いている。演奏活動の傍らで、1981年から母校のカーティス音楽院、1986年からマネス音楽学校で後進の指導に当たり、マスタークラスの講師や国際的なコンクールの審査員としても活躍した。

引退は2009年で、その時に1950年代から使ってきた1741年製のグァルネリ・デル・ジェス「エクス・コハンスキ」を1000万ドルで売却し、150万ドルを母校のカーティス音楽院に寄付している。

写真:Curtis Institute of Music





関連記事

  1. ヘルシンキ発 〓 ヘルシンキ・フィルが首席指揮者のユッカ=ペッカ・サラステとの契約を延長

  2. ウィーン発 〓 ティーレマンが国立歌劇場でプフィッツナーの《パレストリーナ》を指揮して現場復帰

  3. ベルリン発 〓 ベルリン州立歌劇場が2020/2021シーズンの公演ラインナップを発表

  4. ボストン発 〓 フェニックス管弦楽団の次期音楽監督にジョシュア・ワイラースタイン

  5. ローマ発 〓 ローマ歌劇場が「カラカラ浴場」での公演を再開、2022年の夏から

  6. ニューヨーク発 〓 ダウンしていたメトロポリタン歌劇場のウェブサイトが復旧、楽友協会はなお未開通

  7. コブレンツ発 〓 ライン州立フィルの首席指揮者にマルゼナ・ディアクン

  8. ニューヨーク発 〓 メトロポリタン歌劇場が2025年から新制作の「リング・チクルス」を上演

  9. 訃報 〓 クリスティアーヌ・エダ=ピエール(88)フランスのソプラノ歌手

  10. クリーブランド発 〓 空席のコンサートマスターのポジションめぐり、クリーブランド管弦楽団がオーディション

  11. 訃報 〓 ウィリアム・ベネット(85)英国のフルート奏者

  12. 訃報 〓 ニコラ・ジョエル(67)フランスの演出家、パリ国立オペラ元総裁

  13. デンバー発 〓 コロラド響の首席指揮者にピーター・ウンジャン

  14. ベルゲン発 〓 指揮者のエドワード・ガードナーがベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団との契約を延長

  15. ベルリン発 〓 バレンボイムが体調不良で新制作の《指環》の指揮を断念、代役にティーレマン

  1. 上に書いてしまいましたが、何より彼の演奏を聴いてみるべきでしょう。艶やかで、暖かな音色に酔い痴れました。
    C.D あれば買い求めたく思います。

  2. 7月5日 NHK名演奏ライブラリーで聴きました。知的で暖かく瑞々しい音、曲の解釈も素晴らしいと思いました。テープに入れて繰り返し聴いています。久し振りにうっとり出来ました。有難いと思います。

  1. この記事へのトラックバックはありません。