米国ヴァイオリン界の最長老の一人、アーロン・ローザンド(Aaron Rosand)が9日亡くなった。92歳だった。肺炎が原因という。
1927年、インディアナ州ハモンドの生まれ。父親はポーランド、母親はロシアからの移民で、シカゴで育った。早くからその音楽的才能が注目を集め、10歳の時にメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を弾いてシカゴ交響楽団と共演。その後、シカゴ音楽大学を経て、カーティス音楽院に入学、エフレム・ジンバリストに師事した。
プロ・デビューは1948年、ニューヨークで。1958年にはカーネギー・ホールで初めてのリサイタルを開いている。演奏活動の傍らで、1981年から母校のカーティス音楽院、1986年からマネス音楽学校で後進の指導に当たり、マスタークラスの講師や国際的なコンクールの審査員としても活躍した。
引退は2009年で、その時に1950年代から使ってきた1741年製のグァルネリ・デル・ジェス「エクス・コハンスキ」を1000万ドルで売却し、150万ドルを母校のカーティス音楽院に寄付している。
写真:Curtis Institute of Music
上に書いてしまいましたが、何より彼の演奏を聴いてみるべきでしょう。艶やかで、暖かな音色に酔い痴れました。
C.D あれば買い求めたく思います。
7月5日 NHK名演奏ライブラリーで聴きました。知的で暖かく瑞々しい音、曲の解釈も素晴らしいと思いました。テープに入れて繰り返し聴いています。久し振りにうっとり出来ました。有難いと思います。