マインツ発 〓 2022年の「ロベルト・シューマン賞」はハインツ・ホリガーに

2022/04/27

オーボエ奏者、指揮者、作曲家として活躍してきたハインツ・ホリガー(Heinz Holliger)が「ロベルト・シューマン賞」を受賞した。賞は2年に1度、マインツのシュトレッカー財団が贈っているもの。最近の受賞者にイェルク・ウィドマン、オルガ・ノイヴィルトなどがいる。

ホリガーは1939年、スイス・ランゲンタール生まれの82歳。ベルン音楽院でオーボエと作曲を学んだ後、バーゼル音楽院でピエール・ブーレーズに作曲を師事。さらにパリ高等音楽院にピエール・ピエルロにオーボエを学んだ。

1959年のジュネーヴ国際音楽コンクール、1961年のミュンヘン国際音楽コンクールで優勝。バーゼル響首席奏者を務めた後、ドイツのフライブルク音楽大学教授に就任、後進の指導の傍ら多彩な活動を始める。明るくシャープな音色と傑出した技巧で国際的な活躍を続け、ベリオやヘンツェ、シュトックハウゼン、ペンデレツキら同世代の作曲家から新作を献呈されている。

徐々に作曲活動に軸足を移し、また、指揮活動もスタート。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団やウィーン・フィルハーモニー管弦楽団をはじめとする数多くのオーケストラに客演してきた。作曲活動は室内楽からオーケストラまで多彩で、1998年にはオペラ《白雪姫》がチューリッヒ歌劇場で上演されている。

また、アイルランドの作家サミュエル・ベケットやドイツの詩人フリードリヒ・ヘルダーリンの文章の音楽化もライフワークとなっている。選考委員会は彼の作品に対して、「彼の作品は音楽と詩が『プリズムのような多様性の中で互いに問いかけ、挑戦することによって』触れ合っている」と賛辞が贈られている。

写真:Schott


    もっと詳しく ▷


関連記事

  1. 訃報 〓 伊藤京子(94)日本のソプラノ歌手

  2. ウィーン発 〓 フォルクスオーパーでオーストリア音楽劇場賞の受賞式

  3. ドレスデン発 〓 ティーレマンがカール・マリア・フォン・ウェーバー音楽大学の名誉教授に

  4. ウィーン発 〓 国立バレエの芸術監督にアレッサンドラ・フェリ

  5. ミュンヘン発 〓 バイエルン州立オペラが新制作の《トリスタンとイゾルデ》を31日にライブ・ストリーミング

  6. ドルトムント発 〓 市立オペラがガブリエル・フェルツとの契約を延長

  7. ドレスデン発 〓 バリトン歌手のハンス=ヨアヒム・ケテルセンがザクセン州立オペラの名誉会員に

  8. パリ発 〓 フランスの劇場は4月の公演をキャンセル、文化大臣も新型コロナウイルスに感染

  9. バーゼル発 〓 バーゼル響の次期首席指揮者にマルクス・ポシュナー

  10. イエナ発 〓 イエナ・フィルが音楽総監督のジモン・ガウデンツとの契約を延長

  11. ウィーン発 〓 オーストリア郵便が作曲家シェーンベルクの生誕150年を記念した特別切手を発行

  12. フィレンツェ発 〓 フィレンツェ歌劇場でもオーケストラがストライキに突入、《椿姫》の最終公演はメータがピアノを指揮

  13. パリ発 〓 演出家のオリヴィエ・ピィがシャトレ座の支配人に就任

  14. ローマ発 〓 イタリア全土で劇場また閉鎖

  15. ロンドン発 〓 王立音楽院がパッパーノ、カウフマンに名誉博士号

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。