ミュルーズ発 〓 ヴァイオリンのクリストフ・コンツがフランス・ミュルーズ響の首席指揮者に

2022/07/20

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の第2ヴァイオリンの首席奏者を務めるクリストフ・コンツ(Christoph Koncz)が19日、フランスのミュルーズ交響楽団(Orchestre symphonique de Mulhouse)が首席指揮者に就任した。コンツは以前から指揮活動を行ってきたが、常設オーケストラの首席指揮者に就任したことから、オーケストラを近く退団するとみられる。

コンツは1987年、スイスとの国境の街でボーデン湖に面するドイツ・コンスタンツの生まれの34歳。4歳からヴァイオリンを始め、9歳の時にカナダ映画「レッド・バイオリン」に出演、天才児カスパー・ヴァイスを演じて一躍注目を集めた。12歳の時には、シャルル・デュトワ指揮のモントリオール交響楽団でソリストとしてデビューしている。

その後、ウィーン、ザルツブルグ、グラーツの音楽大学で学び、指揮はマーク・ストリンガーの指導を受けた。2008年に20歳でウィーン国立歌劇場管弦楽団に入団。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団には2011年に入団している。

入団後、ダニエル・バレンボイムとダニエル・ハーディングの薫陶を受けて指揮活動を本格化。2013年にザルツブルク・モーツァルト週間で指揮者デビューした後、さまざまなオーケストラへの客演も増え、2019年からはドイツ・カンマーアカデミーの首席指揮者を務めていた。

ミュルーズはドイツ国境に近いアルザス地区の街で、ストラスブールと並んで、ラン国立オペラの拠点ともなっている。ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団と共に国立オペラのピットにも入っている。

Deutschen Kammerakademie Neuss / Benjamin Morrison


関連記事

  1. ウィーン発 〓 ウィーン・フィルのサマー・ナイト・コンサート、今年はトゥガン・ソヒエフが指揮

  2. クアラルンプール発 〓 広上淳一がマレーシア・フィルの第6代音楽監督に

  3. ライプツィヒ発 〓 ゲヴァントハウス管が2020/2021シーズンの公演ラインナップを発表、目玉は「マーラー・フェス」

  4. ニューヨーク発 〓 カーネギーホールがゲルギエフに“追加制裁”、5月のマリインスキー管との公演もキャンセル

  5. ペーネミュンデ発 〓 ニューヨーク・フィルが新型コロナの世界的流行以来初の海外公演、ドイツ・ウーゼドム音楽祭に客演

  6. ローマ発 〓 チョン・ミョンフンがローマ歌劇場管弦楽団に“デビュー”

  7. 訃報 〓 佐藤陽子(72)日本のヴァイオリニスト

  8. ストックホルム発 〓 アンナ・ネトレプコに「ポーラー音楽賞」

  9. ハンブルク発 〓 ハンブルグ交響楽団がアルゲリッチ迎えて「6月音楽祭」を創設

  10. ウィーン発 〓 2023年の「ニューイヤー・コンサート」のプログラム発表、なんと15曲中14曲が初出、少女合唱団の初共演も話題

  11. ハイファ発 〓 ハイファ交響楽団の次期音楽監督にヨエル・レヴィ

  12. コブレンツ発 〓 指揮者ギャリー・ウォーカーが今シーズン限りでライン州立フィルハーモニー管の首席指揮者を退任

  13. ボゴタ発 〓 ボゴタ・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督にスウェーデンのヨアキム・グスタフソン

  14. ロンドン発 〓 ロイヤル・オペラが5月17日、新制作の《皇帝ティートの慈悲》で再開場へ

  15. 東京発 〓 第35回「高松宮殿下記念世界文化賞」の音楽部門はマリア・ジョアン・ピレシュ

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。