訃報 〓 イェルク・デームス, オーストリアのピアニスト

2019/04/18

オーストリアのピアニスト、イェルク・デームス(Jörg Demus)が16日に亡くなった。90歳だった。パウル・バドゥラ=スコダ、フリードリヒ・グルダとともに「ウィーン三羽烏」と呼ばれた存在。バッハ、モーツァルト、シューマンといったドイツ物を中心に350を超えるLP、200を超えるCDをリリースしており、国際的に高い評価を受けてきた。1961年の初来日以来、毎年のように来日した親日家で、2011年春の東日本大震災後の時にも、多くのアーティストが来日をキャンセルする中、演奏会を開いている。2018年11月には東京でも90歳を卯変えた記念リサイタルを開き、これが最後の来日となった。

デームスは1928年、ウィーンの西に広がるザンクト・ペルテン生まれ。父親は高名な美術史学者オットー・デームス、母親はヴァイオリニスト。11歳でウィーン音楽アカデミーに入学、ウォルター・ケルシュバウマー、ハンス・スワロフスキー、ヨーゼフ・クリップス、ヨーゼフ・マルクスたちから指導を受けた。1945年に卒業した後も、パリでイヴ・ナットに師事。その後、ザルツブルク音楽院でヴァルター・ギーゼキングにも師事、さらにヴィルヘルム・ケンプ、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ、エトヴィン・フィッシャーら、伝説的な巨匠の薫陶を受けた。1956年のブゾーニ国際コンクールで優勝。その後、世界的な活躍を続けてきた。

伴奏者としての評価も高く、ソプラノのエリーザベト・シュヴァルツコップ、バリトンのディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ、ヴァイオリンのヨーゼフ・スークといった名演奏家のパートナーとしても活躍した。ザルツブルク郊外に設けられた拠点「ムゼオ・クリストフォリ」には歴史的鍵盤楽器のコレクションが陳列され、毎年夏にマスタークラスを行っていた。

写真:Jörg Demus Festival / Irene Zandel


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