ミラノ・スカラ座博物館で8日、「フランコ・ゼッフィレッリースカラ座の日々」展が幕を開けた。1923年2月12日で生誕100年となる不世出の演出家を振り返る大規模な回顧展で、8月31日までの開催。スケッチ、衣装、写真などの展示の他、一緒に仕事をしたアーティストやたちの証言も交えたフランチェスカ・モルテーニのドキュメンタリー映画も流される。
戦後の演劇界を代表するゼフィレッリはフィレンツェ生まれで、2019年6月15日に96歳で亡くなった。仕立て屋の息子としてフィレンツェの英国上流階級の人々のコミュニティで育ち、第二次大戦直後、進駐してきたスコットランドの連隊の通訳を務めた際、空襲で瓦礫の山となったスカラ座を目撃したのが演出家を志したきっかけという。
22歳で巨匠ルキノ・ヴィスコンティのスタッフとして演劇界に入り、その後、映画監督として活躍。映画の代表作に1968年の「ロミオとジュリエット」、半自伝的作品とされる1999年の「ムッソリーニとお茶を」があり、2002年には最後の作品「永遠のマリア・カラス」を制作している。
その一方、著名な歌劇場、音楽祭でオペラの演出の数多く手掛け、スカラ座だけでも、1953年の《アルジェリアのイタリア人》の衣装から、2006年の《アイーダ》まで、その数21に上る。マリア・カラスが出演したロッシーニ《イタリアのトルコ人》、ヘルベルト・フォン・カラヤンが指揮した《ラ・ボエーム》、カルロス・クライバーとの《オテロ》、ロリン・マゼールとの《トゥーランドット》やリッカルド・ムーティとの《ドン・カルロ》といった記念碑的な作品も多い。
写真:Teatro alla Scala / Brescia – Amisano
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ミラノ発 〓 スカラ座博物館で巨匠演出家フランコ・ゼッフィレッリの回顧展がスタート
2022/11/09
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