往年のソプラノ歌手ヒルデ・ザデク(Hilde Zadek)が21日、カールスルーエで亡くなった。101歳だった。1947年のデビュー後、1971年に現役を引退するまで、ウィーン国立歌劇場を中心に欧米の著名な歌劇場で数々の舞台に立ち、戦後のオペラの黄金期を支えた歌手の一人。ウィーン国立歌劇場だけで39の役で760回出演、名誉会員、宮廷歌手にも選ばれている。
1917年、第一次大戦後にポーランド領となったポズナニ近郊でユダヤ系の家庭に生まれた。ナチスの台頭で17歳だった1935年に当時のパレスチナに移住。エルサレムで看護師として働きながら声楽を学んだ。1945年にヨーロッパに戻り、チューリッヒで研鑽を積んだ。1947年のウィーン・デビューでは、アン・デア・ウィーン劇場で上演されたヴェルディ《アイーダ》にアイーダ役で出演、センセーショナルな成功を収めた。
翌年、ザルツブルク音楽祭にデビュー、ドンナ・アンナ、ヴィオレッタ、アリアドネなどを役を歌って成功を収める。1967年からはウィーンの音楽アカデミーで若い音楽家の指導を始め、1971年の引退後はその後も世界各地でマスタークラスを開催。また、1999年に「ヒルデ・ザデク声楽コンクール」を主宰。2年に一度のコンクールは、11回目を2019年4月22日から27日に開催されることになっていた。
写真:Vienna State Opera
訃報 〓 ヒルデ・ザデク(101)ドイツのソプラノ歌手
2019/02/23
【最終更新日】2023/02/16
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