パリ・オリンピックが8月11日に幕を閉じた。午後9時(日本時間12日午前4時)から閉会式が行われ、映画「パリのちいさなオーケストラ」のモデルとなったザイア・ジウアニ(Zahia Ziouani)、ディヴェルティメント交響楽団のコンビが登場した。ヴィクトル・ル・マスネが編曲したフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」をはじめ、選手たちの栄誉を称える新曲「Records」などの演奏を手掛けた。
ジウアニはパリ生まれの46歳。アルジェリア人の両親の下で幼い頃からクラシック音楽に親しみ、双子の妹のフェットゥーマはプロのチェリスト。本人はリセ・ラシーヌ音楽院で学び、ソルボンヌ大学で音楽分析、管弦楽法、音楽学を専攻。パリで開かれていたマスタークラスを受講したことをきっかけに名指揮者セルジュ・チェリビダッケに師事した。
ディヴェルティメント響を設立したのは1998年。設立に至るまでの物語が「パリのちいさなオーケストラ」というタイトルで映画化され、2023年に公開されて時の人に。設立から音楽監督を務め、2007年からアルジェリア国立交響楽団の初の客演指揮者を務めている。また、今回のオリンピックでは、ランナーの一人として閉会式会場の「スタッド・ド・フランス」へ聖火を運ぶ役目も担った。
この日、71,500人の観衆が会場を埋めた閉会式には、クラシック音楽界からはフランス人テノール、ベンジャミン・ベルンハイムも登場した。ピアノを宙づりにして演奏するパフォーマンスで知られるアラン・ロッシュとの共演で、1893年の第1回オリンピックのために作曲されたフォーレの《アポロン讃歌》の編曲版を歌っている。
写真:Zahia Ziouani
パリ発 〓 パリ五輪の閉会式で、映画「パリのちいさなオーケストラ」のモデルとなったザイア・ジウアニ&ディヴェルティメント響が演奏
2024/08/13
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