ゲント発 〓 マルタ・アルゲリッチらが再考の署名運動、ラハフ・シャニ率いるミュンヘン・フィル排除のフランダース音楽祭に

2025/09/12
【最終更新日】2025/09/13

ベルギー・ゲントで行われているフランダース音楽祭(Gent Festival van Vlaanderen)がミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の出演を取り消した問題で、世界的ピアニストのマルタ・アルゲリッチらが10日から再考を求める署名活動をスタートさせた。イランに生まれでアメリカ育ちのチェンバロ奏者マハン・エスファハニが起ち上げたもので、すぐにアンドラーシュ・シフやミシャ・マイスキーらが呼応している。

事の発端は、音楽祭がミュンヘン・フィルの次期首席指揮者「ラハフ・シャニがネタニヤフ政権から明確に距離を置いていないことを理由に」出演を取り消したこと。これにドイツのバイエルン州政府、シャニとオーケストラが猛反発している。署名活動の起ち上げと同時に、ジョシュア・ワイラーシュタイン、エマニュエル・パユ、ルノー・カプソン、スティーブン・イッサーリスらも署名、現在も急増中。請願の要旨は以下の通り。

我々は、この決定を直ちに撤回し、対話と開放性の価値観が守られるよう求める。この決定は、パレスチナ人の命を一つでも救うこと、人質を帰国させること、あるいはこの紛争下で現在起きている耐え難い民間人の苦しみを少しでも改善することには全く寄与しない。しかし、芸術家の国籍を文化的領域から排除する口実と見なす者たちには、この決定は強く響くだろう。

写真:Münchner Philharmoniker / Tobias Hase


  もっと詳しく ▷


関連記事

  1. ニューヨーク発 〓 巨匠チェリビダッケの生涯が映画に、演じるのはジョン・マルコビッチ

  2. ウィーン発 〓 カウフマンがフランスのレジオンドヌール勲章コマンドゥール章を受章

  3. 訃報 〓 フランコ・ファンティーニ(99)イタリアのヴァイオリン奏者, スカラ座管弦楽団の元コンサートマスター

  4. 訃報 〓 ガブリエル・フムラ(74)ポーランドの指揮者

  5. サンタンデール発 〓 第20回「パロマ・オシェイ・サンタンデール国際ピアノ・コンクール」でカナダ出身のイェーデン・イジク=ドズルコが優勝

  6. ロンドン発 〓 「グラモフォン賞」に新設された「オーケストラ・オブ・ザ・イヤー」にシアトル交響楽団

  7. ロンドン発 〓 「BBCミュージック・マガジン」年次賞のノミネート・アルバム決まる

  8. パリ発 〓 ミッコ・フランクがフランス放送フィルとの契約を延長

  9. シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭 〓 今年の「レナード・バーンスタイン賞」にエミリー・ダンジェロ

  10. ボローニャ発 〓 指揮者のオクサーナ・リーニフが疲労でダウン、ボローニャ劇場の公演の指揮をキャンセル

  11. トロント発 〓 カナディアン・オペラ・カンパニーが2025/2026シーズンの公演ラインナップを発表

  12. バルセロナ発 〓 バルセロナ響の首席客演指揮者にポーランドのマルタ・ガルドリンスカ

  13. プラガ発 〓 マリア・ジョアン・ピレシュが軽度の脳梗塞で当面のコンサートをキャンセル

  14. 高雄発 〓 台湾の衛武営国立芸術文化センターが《椿姫》を上演

  15. キール発 〓 市立劇場の音楽総監督ベンジャミン・ライナースが2023/2024シーズンをもって退任

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。