米国の指揮者アントン・コッポラ(Anton Coppola)が3月9日、ニューヨーク・マンハッタンの自宅で亡くなった。米国内のオペラ・カンパニーで主にイタリア・オペラを指揮。フロリダ州中部の「オペラ・タンパ」の創設者で、2012年まで芸術監督を務めた。映画監督のフランシス・フォード・コッポラの叔父。
イタリア移民の家庭に生まれ、ニューヨークのイースト・ハーレム育ち。人気の理髪店のオーナーである叔父に連れられて、幼い頃からオペラに魅了され、8歳でメトロポリタン歌劇場児童合唱団に入団。第二次世界大戦中は軍楽隊のバンドマスターやミュージックホールの指揮者を務めた。
戦後はマンハッタン音楽学校の管弦楽科とオペラ科の主任を務め、1950年代から1960年代にかけてブロードウェイの劇場の音楽監督をいくつも務めた。
1965年にニューヨーク・シティ・オペラにデビュー、ジャック・ビーソンの歌劇《リジー・ボーデン》の世界初演を指揮した。1970年にはシアトル・オペラでカーライル・フロイドの《鼠と人間》の世界初演も指揮している。
1996年に「オペラ・タンパ」を創設。2012年に引退するまでその指挥台に立ち、2001年には自作のオペラ《サッコとバンゼッティ》を初演している。2004年にはソプラノのアンジェラ・ゲオルギューのアリア・アルバムで、ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団を指揮している。
写真:Opera Tampa
訃報 〓 アントン・コッポラ(102)米国の指揮者、作曲家
2020/03/10
【最終更新日】2023/02/16
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