訃報 〓 シグリード・ケール(95)Sigrid Kehl

2024/12/21

ドイツのオペラ歌手シグリード・ケール(Sigrid Kehl)が17日、ライプツィヒで亡くなった。95歳だった。旧・東ドイツを代表する歌手の一人で、メゾ・ソプラノとしてキャリアをスタート、後にドラマティック・ソプラノにう変わり、ワーグナー歌いとして活躍した。

ベルリン生まれで、エアフルトのテューリンゲン音楽学校、ベルリン芸術大学で学んだ後、当時のベルリン国立歌劇場のオペラ・スタジオに入り、ホルスト・シュタイン指揮のボロディン《イーゴリ公》のポロヴェッツ人の女性役で初舞台を踏んだ。

1956年には「ロベルト・シューマン国際声楽コンクール」で第2位に入賞、それがきっかけとなって、ライプツィヒ国立歌劇場と契約を結んだ。翌年1957年からは専属歌手に。以来、在籍35年。プッチーニ《トスカ》の羊飼いの少年からヴェルディ《アイーダ》の巫女まで70以上の役を演じた。

1963年に「宮廷歌手」の称号を授与され、1966年にはナポリのサンカルロ劇場に出演して西側での活動もスタート。以後、ボローニャ市立歌劇場、ジュネーヴ大劇場、ベルン劇場、ウィーン国立歌劇場、フェニーチェ劇場などに客演している。1971年からはベルリン国立歌劇場との客演契約を結んでいた。

1970年代に入ってドラマティック・ソプラノに転身。1974年にはヨアヒム・ヘルツ演出によるワーグナー《ニーベルングの指環》でブリュンヒルデとフリッカを演じてワーグナー歌いとしての地歩を固めた。1989年、ライプツィヒでヤナーチェク《イェヌーファ》の母コステルニチカを演じたのを最後に引退した。

また、1979年から10年間、ライプツィヒ音楽大学の教授として声楽を教えた。引退後の1990年にはライプツィヒ歌劇場の名誉会員に任命されている。1996年にはザクセン芸術アカデミーの会員となっている。

写真:Oper Leipzig


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