ウィーン発 〓 オーストリア郵便が作曲家シェーンベルクの生誕150年を記念した特別切手を発行

2024/09/14

オーストリア郵便(Österreichische Post)が9月13日、作曲家アルノルト・シェーンベルク生誕150年を記念して特別切手を発行した。額面は1.50ユーロ。1907年頃にリヒャルト・ゲルストルが描き、現在はウィーン博物館に展示されているシェーンベルクの肖像画を使ったデザインで、18万枚が発行された。

シェーンベルクは1874年、ウィーン生まれ。8歳でヴァイオリンを習い始め、その後にチェロを独学で学ぶ。15歳の時に父親が亡くなったことから一時期は銀行で働いたが、1895年に退職して音楽の道に戻り、当初はアマチュア合唱団の指揮などをして生計を立てながら、アレクサンダー・フォン・ツェムリンスキーに師事して作曲の研鑽を積んだ。

その後、ベルリンとウィーンで指揮者、作曲家、教育者として活動。1911年に温めてきた作曲理論をまとめた『和声法』を発表。続いて、「調性を放棄し、互いに関連するだけの12の音符」を使う作曲法「12音技法」を確立して、20世紀の音楽を飛躍的発展へと導いたことで知られる。

しかし、ナチス・ドイツの台頭で1934年にアメリカに移住。南カリフォルニア大学やカリフォルニア大学ロサンゼルス校で教団に立ち、ジョン・ケージやルー・ハリソンなどのアメリカ現代音楽を代表する作曲家を門下から輩出した。1951年、喘息発作のためロサンゼルスで亡くなっている。

写真:Österreichische Post


  もっと詳しく ▷


関連記事

  1. 東京発 〓 東響が2025/2026シーズンの公演ラインナップを発表

  2. カトヴィツェ発 〓 第2回「カロル・シマノフスキ国際音楽コンクール」がロシア音楽の演奏を禁止、発表に波紋広がる

  3. ザルツブルク発 〓 聖霊降臨祭音楽祭、2022年のオペラは《セビリアの理髪師》、芸術監督のバルトリ自ら出演

  4. ヴヴェイ発 〓 クララ・ハスキル国際ピアノ・コンクールが最終出場者22人を発表

  5. アウグスブルク発 〓 ソプラノのサリー・ドゥ・ラントにバイエルン州から宮廷歌手の称号

  6. ブダペスト発 〓 ハンガリー国立オペラが新制作の《ドン・カルロ》をストリーミング配信

  7. ミュンヘン発 〓 バイエルン州立オペラが2024/2025シーズンの公演ラインナップを発表、トビアス・クラッツァー演出の新しい《ニーベルングの指環》始動

  8. ロンドン発 〓 オペラ・ホーランド・パークが2022年の公演ラインナップを発表

  9. ベルリン発 〓 ベルリン・フィルが新シーズン2024/2025シーズンの公演ラインナップを発表、指挥者の山田和樹、ヴァイオリニストの「HIMARI」がデビュー

  10. モンテカルロ発 〓 ネトレプコが約2ヵ月ぶりにオペラの舞台に、4回目の声明でロシアでの出演を否定

  11. ウィーン発 〓 オーストリアもロックダウン

  12. ベルガモ発 〓 ドミンゴがバリトンの新しい役に挑戦

  13. ナッシュビル発 〓 ナッシュビル響が来シーズンをキャンセル

  14. セヴァストポリ発 〓 ロシア文化省が建設中のセヴァストポリ国立オペラ・バレエ劇場の芸術監督にイルダール・アブドラザコフ

  15. アムステルダム発 〓 コンセルトヘボウが5月いっぱい閉鎖、「マーラー音楽祭」もお流れ

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。