ミラノ発 〓 スカラ座のトップ、当初の予定通りこの9月でオルトンビーナに交代

2024/04/17

スカラ座の次期トップが正式に決まった。理事会トップのミラノ市長がこの9月から、ヴェネツィアのフェニーチェ劇場の総裁を務めるフォルトゥナート・オルトンビーナ(Fortunato Ortombina)を総裁に迎えることを明らかにした。「ニューヨーク・タイムズ」紙のによると、文化相も声明で、「ステファン・リスナー、アレクサンダー・ペレイラ、ドミニク・メイヤーという3人の外国人総監督の後、イタリア人がスカラ座に戻ってくる」と述べているという。

ウィーン国立歌劇場の総裁などを歴任してきたマイヤーは現在68歳。2020年から総裁を務めてきたが、イタリアのメローニ政権がオペラ財団のトップの年齢制限を70歳とする新法を施行させたことを受け、契約の延長ができず、スカラ座で2003年から2007年まで芸術監督コーディネーターを務めていた63歳のオルトンビーナが選任された。

しかし、この決定にオーケストラは、マイヤーと音楽監督のリッカルド・シャイーの任期延長を求める声明を発表。そうした動きを受けて理事会は、例外的に二人の任期を延長、オルトンビーナの就任を先送りを検討する動きをみせたが、決定は覆らなかった。スカラ座とマイヤーとの契約は2025年2月28日で切れるが、1年間の引き継ぎ期間を確保するため、8月1日まで留任してオルトンビーナと共に働くという。

一方、2015年から音楽監督を務めるシャイーとスカラ座の契約は2026年2月まであり、引き続きそのポストに留まるという。ただ、オルトンビーナは後任にダニエレ・ガッティを推すことを明らかにしており、任期満了でシャイーは退任するとみられる。ガッティは2021/2022シーズンからフィレンツェ歌劇場の音楽監督を務めている。

写真:Teatro La Fenice


関連記事

  1. ミラノ発 〓 スカラ座が2024/2025シーズンの公演ラインナップを発表

  2. 訃報 〓 クシシュトフ・ペンデレツキ(86)ポーランドの作曲家

  3. オビエド発 〓 スペインのアストゥリアス公国州響の音楽監督にポルトガルの指揮者ヌーノ・コエーリョ

  4. ロンドン発 〓 グラインドボーン音楽祭がストリーミング配信のための有料プラットホーム起ち上げ、名付けて「グラインドボーン・アンコール」

  5. ベルリン発 〓 ベルリン・フィルが新シーズンの公演ラインナップを発表

  6. 東京発 〓 ウィーン国立歌劇場の日本公演の延期決まる

  7. ブラティスラヴァ発 〓 ミハイル・プレトニョフが新しいオーケストラを創設、ロシア・ナショナル管の音楽監督を当局が解任?

  8. ウィーン発 〓 国立歌劇場が新制作の《パルジファル》を18日にストリーミング

  9. モスクワ発 〓 第16回「チャイコフスキー国際コンクール」が閉幕、藤田真央がピアノ部門で2位に

  10. クラクフ発 〓 ジョルディ・サヴァール一行がポーランドで新型コロナウイルスに感染

  11. ミュンヘン発 〓 バイエルン州立オペラが新制作の《ジュディッタ》をストリーミング配信

  12. ヒューストン発 〓 ヒューストン・グランド・オペラが2021/2022シーズンの公演ラインナップを発表

  13. ストラスブール発 〓 ストラスブール・フィルが音楽監督のアジス・ショハキモフとの契約を延長

  14. ロンドン発 〓 ラトルら世界的な音楽家119人が嘆願書、ウクライナ侵略戦争の即時停止、ロシアのアーティストの一律ボイコットに反対の訴え

  15. 訃報 〓 ミシェル・セネシャル(91)フランスのテノール歌手

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。