指揮者のアダム・フィッシャー(Ádám Fischer)が首席指揮者を務めるドイツのデュッセルドルフ交響楽団(Düsseldorfer Symphoniker)との契約を延長した。フィッシャーはアンドレイ・ボレイコの後任として2015年からその任にあり、今回の契約更改で任期は2025年から2030年まで延びる。
フィッシャーはハンガリー・ブダペスト生まれの75歳。バルトーク音楽院やウィーン国立音楽大学でハンス・スワロフスキーに学び、1973年の「グィード・カンテッリ指揮者コンクール」で最高位を獲得、その年にウィーン国立歌劇場にデビューしてから何度も客演を続け、2017年には名誉団員の称号を授与されている。
その後、カールスルーエ、グラーツの指揮者を経て、フライブルク市立劇場、マンハイム国民劇場の音楽総監督を歴任。2001年には急死したジュゼッペ・シノーポリの代役としてバイロイト音楽祭にデビュー、《ニーベルングの指環》を指揮して大成功を収めた。その後も2004年まで《指環》の指揮を託され、2006年と2007年には《パルジファル》を指揮している。
オペラ指揮者としての評価は高く、メトロポリタン歌劇場、バイエルン州立歌劇場、ミラノ・スカラ座、ロイヤル・オペラ、パリ・オペラ座といった著名な歌劇場に定期的に客演。2006年にはブダペストの芸術宮殿を使い、音楽祭「ブダペスト・ワーグナー・デイズ」を起ち上げている。また、2007年にはハンガリー国立歌劇場の音楽総監督に就任したが、保守政権の誕生を嫌い、2010年末に辞任している。
ハイドンのエキスパートとしても知られており、1987年にはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーとハンガリーのオーケストラのメンバーでハイドン・フィルハーモニー管弦楽団を設立、レコーディングを重ねて交響曲全集を完成させている。また、1998年から芸術監督を務めるデンマーク室内管弦楽団とは、コペンハーゲンで「ハイドン・フェスティバル」を行っている。
デュッセルドルフ響はドイツで2番目に古い市立オーケストラ。本拠地トーンハレ・デュッセルドルフでのコンサート活動の他、ライン・ドイツ・オペラの演奏をデュイスブルク・フィルハーモニー管弦楽団と担っている。この12日には9日に75歳の誕生日を迎えたフィッシャーの指揮でお祝いのガラ・コンサートが行われ、公演後に市長から契約延長が発表された。
写真:Düsseldorfer Symphoniker / Susanne Diesner
デュッセルドルフ発 〓 アダム・フィッシャーが首席指揮者を務めるデュッセルドルフ響との契約を延長
2024/09/14
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