訃報 〓 エバハルト・ヴァンゲマン(104)ドイツのヴァイオリニスト

2024/08/25

かつてのRIAS(リアス)交響楽団でヴァイオリン奏者として活動をスタートし、オーケストラの運営にも関わってドイツのオーケストラ界の最長老として知られたエバハルト・ヴァンゲマン(Eberhard Wangemann)が8月17日に亡くなった。104歳だった。

ヴァンゲマンは1920年、ライプツィヒ生まれ。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を経て、1955年に35歳でRIAS響に入団した。RIAS響は1946年に西ベルリンのアメリカ軍占領地区放送局で設立されたオーケストラで、1956年にベルリン放送交響楽団に改名、さらにドイツ再統一後の1993年、現在のベルリン・ドイツ交響楽団に改名している。

1962年からはオーケストラの理事に就任。1975年に首席指揮者を11年間務めたロリン・マゼールが辞任した後、オーケストラの代表として後任探しに加わり、性急な決断をしないように周囲を説得。その結果、1982年に29歳のリッカルド・シャイーを首席指揮者(ー1989年)を迎えることになった。1984年にはその功績で、ドイツ連邦共和国功労勲章を授与されている。

1985年の引退後は名誉会員として、100歳になるまで定期的にコンサートに出演。オーケストラは2020年1月、100歳の誕生日を祝っている。オーケストラは「ヴァンゲマンほど長くオーケストラに献身した人物はいなかった。彼の音楽に対する人生は、あらゆる点で模範的で並外れたものでした」と、その生涯を称えている。

写真:Jörg Brüggemann


関連記事

  1. ベルリン発 〓 バレンボイムの功績に対して、ベルリン州立オペラが「名誉会員」、ベルリン・シュターツカペレが史上初の「名誉首席指揮者」の称号

  2. デュッセルドルフ発 〓 作曲家メンデルスゾーンの銅像の修復工事終了

  3. ドレスデン発 〓 聖十字架合唱団の第29代「クロイツカントル」にマーティン・レーマン

  4. フランクフルト発 〓 フランクフルト市立オペラが2023/2024シーズンの公演ラインナップを発表

  5. ミュンヘン発 〓 ミュンヘン放送管が首席客演指揮者のパトリック・ハーンとの契約を延長

  6. 訃報 〓 ヴォルフガング・リーム(72)ドイツの作曲家

  7. シュトゥットガルト発 〓 シュトゥットガルト州立劇場が新制作の《ラインの黄金》をライブ・ストリーミング

  8. イエナ発 〓 イエナ・フィルが音楽総監督のジモン・ガウデンツとの契約を延長

  9. ミュンヘン発 〓 ミュンヘン放送管が首席指揮者イヴァン・レプシッチとの契約を延長

  10. アーヘン発 〓 市立劇場がカラヤンの胸像をホワイエから撤去

  11. ヴィースバーデン発 〓 ヘッセン州立劇場が2022/2023シーズンの公演ラインナップを発表

  12. ベルリン発 〓 首席フルートのマチュー・デュフォーがベルリン・フィルを退団

  13. リンツ発 〓 リンツ・ブルックナー管弦楽団の首席客演指揮者にリトアニア出身の若手女流指揮者ギールデ・シュレカイテ

  14. ベルリン発 〓 バレンボイムが当面の演奏活動の休止を発表

  15. ハノーファー発 〓 州立劇場が2024/2025シーズンの公演ラインナップを発表、第2カペルマイスターの熊倉優が新制作の2作品を指揮

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。