オーストリアのヴァイオリニスト、ウェルナー・ヒンク(Werner Hink)が5月21日、ウィーンの自宅で死去、81歳だった。喉頭がんで闘病中だった。長くウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターを務め、ウィーン弦楽四重奏団、新ウィーン八重奏団など、オーケストラのメンバーを集めた活動で知られた。
1943年、ウィーン生まれ。ウィーン市立音楽院、ウィーン国立音楽大学でフランツ・サモイルに師事。1964年に第1ヴァイオリン奏者としてウィーン国立歌劇場管弦楽団に入団、その年にウィーン・フィルにも入団した。1974年にコンサートマスターに就任。在任は2008年まで34年間にわたる。
入団した1964年にオーケストラのメンバーとウィーン弦楽四重奏団を結成。また、1970年代に入って、新しいメンバーを集めてウィーン八重奏団の活動を引き継いだ。ソリストしても活動にも積極的で、日本で30年以上にわたり、ピアニストの遠山慶子とのデュオや室内楽に取り組み、50枚近くのアルバムをリリースしている。
また、若手の育成にも熱心で、1982年から母校のウィーン市立音楽院のヴァイオリン科教授。1996年から2018年までの22年間にわたり、群馬県で開かれる「草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル」の講師を務め、札幌で行われている「PMF=パシフィック・ミュージック・フェスティバル」でも、1991年から2010年にかけてPMFウィーンの教授として15回参加している
写真:Wiener Philharmoniker / Jun Keller
訃報 〓 ウェルナー・ヒンク(81)ヴァイオリニスト / ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の元コンサートマスター
2024/05/23
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