訃報 〓 ウェルナー・ヒンク(81)ヴァイオリニスト / ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の元コンサートマスター

2024/05/23

オーストリアのヴァイオリニスト、ウェルナー・ヒンク(Werner Hink)が5月21日、ウィーンの自宅で死去、81歳だった。喉頭がんで闘病中だった。長くウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターを務め、ウィーン弦楽四重奏団、新ウィーン八重奏団など、オーケストラのメンバーを集めた活動で知られた。

1943年、ウィーン生まれ。ウィーン市立音楽院、ウィーン国立音楽大学でフランツ・サモイルに師事。1964年に第1ヴァイオリン奏者としてウィーン国立歌劇場管弦楽団に入団、その年にウィーン・フィルにも入団した。1974年にコンサートマスターに就任。在任は2008年まで34年間にわたる。

入団した1964年にオーケストラのメンバーとウィーン弦楽四重奏団を結成。また、1970年代に入って、新しいメンバーを集めてウィーン八重奏団の活動を引き継いだ。ソリストしても活動にも積極的で、日本で30年以上にわたり、ピアニストの遠山慶子とのデュオや室内楽に取り組み、50枚近くのアルバムをリリースしている。

また、若手の育成にも熱心で、1982年から母校のウィーン市立音楽院のヴァイオリン科教授。1996年から2018年までの22年間にわたり、群馬県で開かれる「草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル」の講師を務め、札幌で行われている「PMF=パシフィック・ミュージック・フェスティバル」でも、1991年から2010年にかけてPMFウィーンの教授として15回参加している

写真:Wiener Philharmoniker / Jun Keller


関連記事

  1. ウィーン発 〓 ティーレマンが国立歌劇場でプフィッツナーの《パレストリーナ》を指揮して現場復帰

  2. ウィーン発 〓 楽友協会が6月から再開、ウィーン・フィルのコンサートも

  3. ウィーン発 〓 国立歌劇場が3月第2週のストリーミングのラインナップを発表

  4. ウィーン発 〓 国立歌劇場が2024/2025シーズンの公演ラインナップを発表

  5. ウィーン発 〓 オーストリア政府がウィーン放送響の廃止否定の声明

  6. ブレゲンツ音楽祭 〓 2022年の公演ラインナップを発表、湖上ステージの《蝶々夫人》以外に《アルジェのイタリア女》、《アルミーダ》、《シベリア》を上演

  7. ザルツブルク発 〓 復活祭音楽祭が早くも2022年のプログラムを発表、オペラは《ローエングリン》

  8. グラフェネック発 〓 夏の音楽祭でメータが63年ぶりにトーンキュンストラー管を指揮

  9. ウィーン発 〓 ジョン・ウィリアムズ&ウィーン・フィルのライブCD発売へ

  10. ウィーン発 〓 オーストリア造幣局がザルツブルク音楽祭100周年記念銀貨を発行

  11. ザルツブルク発 〓 1592年にオープンの老舗楽譜店が閉店

  12. ザルツブルク音楽祭 〓 2020年夏の音楽祭のプログラムを発表

  13. ウィーン発 〓 アンナ・ネトレプコが米国に復帰、パームビーチ・オペラに出演

  14. ウィーン発 〓 国立歌劇場がストリーミング第2週のラインナップを発表、新制作の《ドン・ジョヴァンニ》もライブ配信

  15. ザルツブルク発 〓 聖霊降臨祭音楽祭が開催中止を発表

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。