ザルツブルク発 〓 夏の音楽祭が2025年の公演ラインナップを発表、反田恭平と藤田真央も出演

2024/12/04
【最終更新日】2024/12/05

オーストリアのザルツブルク音楽祭(Salzburger Festspiele)が2025年夏の公演ラインナップを発表した。開幕は7月18日で、8月31日までの開催。

オペラの新制作はヘンデル《エジプトのジューリオ・チェーザレ》、ドニゼッティ《マリア・ ストゥアルダ》、エトヴェシュの《三人姉妹》の3作品。再演はクリストフ・ ワリコフスキ演出のヴェルディ《マクベス》と、聖霊降臨祭で上演されたヴィヴァルディの《ホテル・メタモルフォーゼ》が夏の音楽祭でも上演される。

また、モーツァルト《ポントの王ミトリダーテ》と《ツァイーデ》のモーツァルト2作品をセミ・ステージ形式で上演。シェーンベルク《期待》とマーラー《大地の歌》の音楽を組み合わせ、ピーター・セラーズが演出する舞台もある。

加えて、コンサート形式によるオペラ上演は、テオドール・クルレンツィス指揮のユートピア・オーケストラによるラモー《カストールとポリュックス》の他、ミカエル・ジャレルの《カッサンドラ》、サルヴァトーレ・シャリーノの《マクベス》、ジョルダーノ《アンドレア・シェニエ》と、こちらも多彩だ。

一方、音楽祭の「レジデント・オーケストラ=座付きオーケストラ」であるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートを指揮する指揮者は、アンドリス・ネルソンス、フランツ・ウェルザー=メスト、ロレンツォ・ヴィオッティ、ヤニック・ネゼ=セガン、それにリッカルド・ムーティの5人。

「モーツァルト・マチネー」コンサートを指揮する指揮者は、アイヴァー・ボルトン、ロベルト・ゴンサレス=モンハス、アンドルー・マンゼという顔ぶれに、反田恭平がピアノと指揮で登場する。オール・モーツァルト・プログラムで、ピアノ協奏曲第9番《ジュノム》、第26番《戴冠式》を弾き振り、歌劇《フィガロの結婚》を指揮する。

リサイタルなどのアーティストの顔ぶれも例年通りの豪華さで、クリスティアン・ゲルハーヘル、ディアナ・ダムラウ、ヨナス・カウフマン、サビーヌ・ドゥヴィエル、アスミク・グリゴリアン、アンドラーシュ・シフ、エフゲニー・キーシン、グリゴリー・ソコロフ、パトリツィア・コパチンスカヤ、イゴール・レヴィット、ヴィキングル・オラフソンらが顔を揃える。また、国際的な活躍が続いているピアノの藤田真央は、ハーゲン・カルテットと共演する。

客演オーケストラも以下の通りの多彩さで、最終日にはキリル・ペトレンコに率いられたベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が登場、マーラーの交響曲第9番を取り上げる。
 ウィーン放送交響楽団(インゴ・メッツマッハー指揮)
 ル・コンセール・デ・ナシオン(ジョルディ・サヴァール指揮)
 モナコ公の音楽家たち(ジャンルカ・カプアーノ指揮)
 ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団(ダニエル・バレンボイム指揮)
 ユートピア・オーケストラ(テオドール・クルレンツィス指指揮)
 ル・バルコン(マキシム・パスカル指揮)
 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(クラウス・マケラ指揮)
 グスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団(マンフレート・ホーネック指揮)
 クラングフォルム・ウィーン(シルヴァン・カンブルラン指揮)



 ……… オペラ

7月26日 →
ヘンデル《エジプトのジューリオ・チェーザレ》 = 新制作
[演出]ドミトリー・チャルニャコフ
[指揮]エマニュエル・アイム
[オーケストラ]コンセール・ダストレ
[出演]クリストフ・デュモー / オルガ・クルチンスカ / ルシール・リシャード / フレデリコ・フィオーロ / ユーリ・ミネンコ

7月31日 →
ヴィヴァルディ《ホテル・メタモルフォーゼ》 = 再演
[演出]バリー・コスキー
[指揮]ジャンルカ・カプアーノ
[オーケストラ]モナコ公の音楽家たち
[出演]チェチーリア・バルトリ / ヴァルドゥイ・アブラハミヤン / レア・デサンドレ / フィリップ・ジャルスキー

8月1日 →
ドニゼッティ《マリア・ ストゥアルダ》 = 新制作
[演出]ウルリヒ・ラッシェ
[指揮]アントネッロ・マナコルダ
[オーケストラ]ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
[出演]ケイト・リンゼー / リセッテ・オロペサ / ベクゾッド・ダブロノフ / アレクセイ・クラーギン / トーマス・レーマン

8月4日 →
モーツァルト《ポントの王ミトリダーテ》 = セミ・ステージ上演
[演出]ビルギット・カイトナ=ヴェーニヒ
[指揮]アダム・フィッシャー
[オーケストラ]モーツァルテウム管弦楽団
[出演]ペネ・パティi / サラ・ブランチ / エルザ・ドライジグ / ポール=アントワーヌ・ベノス=ジアン / ジュリー・ロゼ

エトヴェシュ《三人姉妹》 = 新制作
8月8日 →
[演出]エフゲニー・ティトフ
[指揮]マキシム・パスカル
[オーケストラ]クラングフォルム・ウィーン
[出演]Dennis Orellana / Cameron Shahbazi / Aryeh Nussbaum Cohen / Kangmin Justin Kim / Mikołaj Trąbka / Ivan Ludlow / Jacques Imbrailo / Andrey Valentiy / Jörg Schneider / Jens Larsen / Anthony Robin Schneider / Kristofer Lundin

ヴェルディ《マクベス》 = 再演
8月9日 →
[演出]クリストフ・ ワリコフスキ
[指揮]フィリップ・ジョルダン
[オーケストラ]ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
[出演]ヴラジスラフ・スリムスキー / アスミク・グリゴリアン / タレク・ナズミ / チャールズ・カストロノーヴォ / ジョシュア・ゲレロ

モーツァルト《ツァイーデ》 = セミ・ステージ上演
8月17日 →
[演出]ラファエル・ピション
[指揮]ラファエル・ピション
[オーケストラ]ピグマリオン
[出演]サビーヌ・ドゥヴィエル / レア・デサンドレ / ユリアン・プレガルディエン / ダニエル・ベーレ / ヨハネス・マルティン・クレンツレ

写真:Salzburger Festspiele


    音楽祭プロフィールはこちら ▷


関連記事

  1. ウィーン発 〓 国立歌劇場が2023/2024シーズンの公演ラインナップを発表

  2. グラーツ発 〓 グラーツ歌劇場の音楽総監督にヴァシリス・クリストプロス

  3. ウィーン発 〓 指揮者のマルコ・アルミリアートが国立歌劇場の名誉会員に

  4. サヴォンリンナ発 〓 オペラ・フェスティバルが2021年夏の公演ラインナップを発表

  5. ウィーン発 〓 国立歌劇場が4月第2週のストリーミング・ラインナップを発表

  6. マチェラータ発 〓 マチェラータ・オペラ・フェスティバルが2024年夏の公演ラインナップを発表

  7. ブレゲンツ音楽祭 〓 新制作の《アルジェのイタリア女》の上演を断念、上演陣のコロナ陽性反応受け

  8. バイロイト音楽祭 〓 夏の音楽祭のチケットのネット販売を停止

  9. ウィーン発 〓 ウィーン・フィルが2025年元旦の「ニューイヤー・コンサート」のプログラムを発表

  10. ウィーン発 〓 国立歌劇場が5月19日に再開場

  11. ロンドン発 〓 BBCプロムス最終日の「ルール・ブリタニア」などの歌詞なし演奏めぐり論争勃発

  12. ウィーン発 〓 ソプラノのニーナ・シュテンメが国立歌劇場の名誉会員に

  13. リューベック発 〓 フルートのカラパノスに今年の「レナード・バーンスタイン賞」、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭

  14. ロンドン発 〓 グラインドボーン音楽祭がストリーミング配信の8月のラインナップを発表

  15. バーデン=バーデン発 〓 バーデン=バーデン聖霊降臨祭の音楽祭を中止

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。