ポーランドを代表するコントラルト歌手、エヴァ・ポドレシ(Ewa Podleś)が19日、ワルシャワで亡くなった。71歳だった。ヘンデル、ロッシーニのオペラで高く評価され、オペラだけでなく、歌曲やオラトリオ、交響曲などの録音に数多く参加、国際的な活躍で知られる。
ワルシャワ生まれで、ショパン音楽アカデミーで学び、在学中の1975年にワルシャワ大劇場でモーツァルト《コジ・ファン・トゥッテ》のドラベッラ役でデビューした。1978年のチャイコフスキー国際コンクールで第3位を獲得した他、トゥールーズやバルセロナの歌唱コンクールに入賞、国際的に注目を集めた。
1984年に大劇場のメンバーとなり、ロッシーニ《セビリアの理髪師》のロジーナ、ロッシーニ《チェネレントラ》やビゼー《カルメン》のタイトルロールで成功を収めた。またこの年、フランスのエクス=アン=プロヴァンス音楽祭にロジーナ役で、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場でヘンデル《リナルド》のタイトルロールを歌ってデビューしている。
その後、その卓越したコロラトゥーラ歌唱でヘンデル、ロッシーニの作品をレパートリーの中心にしながら、著名な歌劇場に出演を重ね、世界各地のオーケストラとの共演が続き、国際的なキャリアを築いた。1993年にはロッシーニ《タンクレディ》のタイトルロールを歌ってミラノ・スカラ座にもデビューしている。
2007年には映画『アリアの歌姫』に歌で出演。2008/2009シーズンには、ポンキエッリ《ラ・ジョコンダ》のチェーカを歌い、25年ぶりにメトロポリタン歌劇場の舞台に戻っている。また、2012年には、作曲家の故郷ペーザロで行われているロッシーニ・オペラ・フェスティバルの《バビロニアのチーロ》にも出演していた。
写真:Andrzej Swietlik
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