ウィーン発 〓 指揮者のフランツ・ヴェルザー=メストがウィーン・フィルの名誉会員に

2024/04/24

指揮者のフランツ・ヴェルザー=メスト(Franz Welser-Möst)がウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の名誉会員に加わった。オーケストラが23日に発表したもの。楽団長のダニエル・フロシャウアーは「名誉会員になることは、芸術的な連帯感だけでなく、オーケストラとの個人的で重要な友情の証でもあります。彼はは長年にわたって私たちの仲間でした」と述べている。

ウェルザー=メストはオーストリア・リンツ生まれの63歳。ヴァイオリニストをめざしていたが、18歳の時に交通事故で重傷を負ったことで指揮者に転身。ミュンヘン音楽・芸術大学で指揮を学び、1986年にスウェーデンのノールショピング交響楽団、1987年にヴィンタートゥール・ムジークコレギウム管弦楽団の首席指揮者に就任、指揮者としてのキャリアをスタートさせた。

その後、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督(1990ー1995)、チューリッヒ歌劇場の音楽監督(1995ー2008)を歴任した上、2002年からはクリーヴランド管弦楽団の音楽監督(2002ー)も務め、1998年にはウィーン・フィルの定期公演にデビュー。それを受けて、2010年にはウィーン国立歌劇場の音楽総監督に就任した(オーストリア人指揮者の音楽総監督はヘルベルト・フォン・カラヤン以来約半世紀ぶり)。が、2014年には総監督のドミニク・マイヤーとの意見対立から突如辞任している。

しかし、その後も、ウィーン国立歌劇場管弦楽団を母体とするウィーン・フィルとの関係は続き、日本、中国、ヨーロッパ、アメリカへのツアーやザルツブルク音楽祭で定期的に指揮。2010年のシェーンブルン宮殿でのサマーナイト・コンサートに加え、「ニューイヤー・コンサート」は2011年、2013年、2023年と3回指揮している。

本人は昨年9月に癌治療で12ヶ月から16ヶ月の治療を受ける必要があると発表して活動を一時休止し。この1月11日にクリーブランド管の演奏会を指揮して現場復帰したところ。ただその直後、音楽監督として歴代最長となる在任25年を迎える2027/2028シーズンの終了をもって退任することを明らかにしている。

写真:Wiener Philharmoniker / Terry Linke


関連記事

  1. 訃報 〓 大町陽一郎(90)日本の指揮者

  2. ザルツブルク復活祭音楽祭 〓 10月に延期

  3. ザンクト・ペルテン発 〓 トーンキュンストラー管の次期首席指揮者にファビアン・ガベル、佐渡裕の後任

  4. パリ発 〓 イル・ド・フランス国立管弦楽団が楽譜代わりにiPad

  5. ベルリン発 〓 州立オペラが2023/2024シーズンの公演ラインナップを発表、バレンボイムの後任は発表されず

  6. バルセロナ発 〓 第67回「マリア・カナルス国際音楽コンクール」でカナダのイェーデン・イジク=ドズルコが優勝、亀井聖矢も3位に

  7. ルクセンブルク発 〓 ルクセンブルク市立大劇場が2021/2022シーズンの公演ラインナップを発表

  8. モスクワ発 〓 ロシアが第17回「チャイコフスキー国際コンクール」の開催を宣言

  9. チューリッヒ発 〓 チューリッヒ歌劇場が新製作の《サロメ》をライブ・ストリーミング

  10. 金沢発 〓 広上淳一、オーケストラ・アンサンブル金沢のアーティスティック・リーダーに

  11. ラヴェンナ発 〓 ムーティ、肺炎でダウン

  12. ボストン発 〓 ボストン響が突然、音楽監督のネルソンスとの契約を2026/2027シーズンで終了と発表

  13. ロサンゼルス発 〓 ハンス・ジマーが2度目の「アカデミー賞」作曲賞受賞、映画「DUNE デューン 砂の惑星」の音楽で

  14. ボルチモア発 〓 ボルチモア響が音楽監督のジョナサン・ヘイワードとの契約を延長

  15. ロンドン発 〓 モンテヴェルディ合唱団・管弦楽団の理事会が創設者のジョン・エリオット・ガーディナーの解任を発表

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。