ノヴァーラ発 〓 復活した「カンテルリ国際指揮者コンクール」で、中国系ニュージーランド人の吕天贻が優勝

2020/09/15

指揮者の生誕100年を記念して復活したイタリアの「グイード・カンテルリ国際指揮者コンクール」で、中国系ニュージーランド人の吕天贻(Tianyi Lu)が優勝した。コンクールは1980年の第10回を最後に行われていなかった。

コンクールは1963年の創設。ミラノ・スカラ座が主体となって行われ、第1回のエリアフ・インバル以下、リッカルド・ムーティ、井上道義、アダム・フィッシャー、ユベール・スダーン、ローター・ツァグロセクといった指揮者を世に送り出した。

カンテルリはイタリアの戦後第1世代の指揮者。巨匠アルトゥーロ・トスカニーニの目に留まり、1956年には36歳の若さでミラノ・スカラ座の音楽監督に指名されたが、その直後、ニューヨークに向かうためにパリから乗り込んだ飛行機が墜落して亡くなっている。

11回目となる今回のコンクールは、カンテルリの故郷ノヴァーラの歌劇場、トリノの王立歌劇場で9日から12日にかけて行われたもの。審査委員長は第10回のコンクールで優勝したドナート・レンゼッティ(Donato Renzetti)。

吕は上海生まれの30歳で、ニュージーランドやオーストラリア、英国を中心に活躍の場を広げており、メルボルン交響楽団のアシスタント指揮者を経て、2020年に客演指揮者に就任している。

写真:Guido Cantelli International Conducting Competition / Antony Potts


    もっと詳しく ▷


関連記事

  1. アムステルダム発 〓 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団が新しいストリーミング

  2. リバプール発 〓 ロイヤル・リバプール・フィルの次期首席指揮者にドミンゴ・インドヤン

  3. ベルリン発 〓 ドイツの音楽家6人が音楽家への支援を訴える書簡を文化大臣に、新型コロナウイルス禍で

  4. ウィーン発 〓 ウィーン・フィルの第2バイオリンの首席奏者クリストフ・コンツが指揮活動

  5. 東京発 〓 東響の次期音楽監督にロレンツォ・ヴィオッティ

  6. 訃報 〓 ルイス・デ・パブロ(91)スペインの作曲家

  7. 訃報 〓 ミハイル・ユロフスキ(76)ロシアの指揮者

  8. ダラス発 〓 ダラス交響楽団が演奏会形式による“リング・チクルス”、オーケストラによる通し上演は全米初

  9. ドニゼッティ・オペラ・フェスティバル 〓 今年のフェスティバルで上演するオペラ3作品をストリーミング配信

  10. コペンハーゲン発 〓 デンマークも劇場閉鎖

  11. ハンブルク発 〓 州立歌劇場の次期芸術監督に演出家のトビアス・クラッツァー

  12. ベルガモ発 〓 ドニゼッティ・オペラ・フェスティバルが2024年の公演ラインナップを発表

  13. ダルムシュタット発 〓 州立劇場が音楽総監督のダニエル・コーエンとの契約を延長

  14. アムステルダム発 〓 コンセルトヘボウが5月いっぱい閉鎖、「マーラー音楽祭」もお流れ

  15. ロンドン発 〓 ユロフスキ指揮の《ニーベルングの指環》通し上演を断念、ロンドン・フィル

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。