ベルン発 〓 チェリストのアントニオ・メネセスが進行性の脳腫瘍と診断されたことを明らかに

2024/07/09

国際的に活躍してきたブラジルのチェリスト、アントニオ・メネセス(Antonio Meneses)がソーシャルメディアを通じて声明を発表、6月に多形性膠芽腫という進行性の脳腫瘍と診断されたことを明らかにした。現在はコンサートのスケジュールをすべてキャンセルし、家族や友人たちに囲まれながらスイスの自宅で緩和ケアを受けているという。

ブラジル北東部の港湾都市レシフェ生まれで、リオデジャネイロ育ちの66歳。10歳でチェロを始め、16歳でイタリア人チェロ奏者のアントニオ・ヤニグロと出会い、門下生となって渡欧、デュッセルドルフ、後にシュトゥットガルトでヤニグロに学び、1977年に「ミュンヘン国際音楽コンクール」、1982年には「チャイコフスキー国際コンクール」で優勝。以後、国際的な活躍を続け、著名なオーケストラや指揮者との共演を重ねている。

また、室内楽活動にも積極的で、ピアノのメナヘム・プレスラー、ヴァイオリンのダニエル・ホープと共に伝説的なボザール・トリオの最後のメンバーとして知られる。後進の指導にも熱心で、欧州ではスペインのソフィア王妃高等音楽院やイタリア・シエナのキジアーナ音楽院で指導、2008年からはベルン音楽院で教えているが、声明によれば、それらもすべて辞めて治療に専念しているという。

写真:Alice Rodrigues / Divulgação


  もっと詳しく ▷


関連記事

  1. ボストン発 〓 空席が続いていたボストン響のコンサートマスターにネイサン・コール

  2. アントワープ発 〓 香港出身のエリム・チャンがアントワープ響の音楽監督に

  3. モンテカルロ発 〓 ネトレプコが約2ヵ月ぶりにオペラの舞台に、4回目の声明でロシアでの出演を否定

  4. マンチェスター発 〓 カーチュン・ウォンが日フィルに続いて、ハレ管の首席指揮者に

  5. シュヴェリーン発 〓 メクレンブルク州立劇場、コーミッシェ・オーパーもシーズン終了

  6. ロサンゼルス発 〓 ロサンゼルス・フィルが2020/2021シーズンのキャンセルを発表、新型コロナウイルスの感染拡大で

  7. ロンドン発 〓 イングリッシュ・ナショナル・オペラが“ドライブイン・オペラ”

  8. パリ発 〓 長引くスト、国立オペラの《セビリアの理髪師》も上演中止

  9. ニューヨーク発 〓 メトロポリタン歌劇場の舞台が故障してセミ・ステージ上演に

  10. ブカレスト発 〓 指揮者のクリスティアン・マチェラルが母国のエネスク国際音楽祭の芸術監督に

  11. ウィーン発 〓 ネトレプコとエイヴァゾフ夫妻が結婚生活に終止符

  12. フィレンツェ発 〓 5月音楽祭が新制作のジョルダーノ《シベリア》の初日7日の公演をストリーミング配信

  13. シカゴ発 〓 シカゴ響がヤープ・ファン・ズヴェーデンに率いられてヨーロッパ・ツアー

  14. 東京発 〓 新国立劇場が2020/2021シーズンの公演ラインアップを発表

  15. 訃報 〓 テオ・アダム(92)ドイツのバス・バリトン歌手

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。