ベルリン発 〓 バレンボイムが体調不良で新制作の《指環》の指揮を断念、代役にティーレマン

2022/08/31
【最終更新日】2022/10/26

ベルリン州立オペラが音楽監督のダニエル・バレンボイムが体調不良のため、新制作の《ニーベルングの指環》の指揮を断念せざるを得なくなったと発表した。新しい《指環》はドミトリー・チャルニャコフが演出を手掛け、10月2日から上演が始まる。発表によると、クリスティアン・ティーレマンが1回目と3回目のチクルスを(通し上演を)、2回目をトーマス・グガイスが指揮するという。

バレンボイムはこの2月、脊椎手術のため演奏活動を休止。3月6日に一時復帰したが、その直後から再び休養。4月13日にベルリン州立歌劇場管弦楽団を指揮したものの、その後はすべての出演をキャンセルし、この6月19日に現場復帰したところ。8月に入ってからは、ルツェルン音楽祭、ザルツブルク音楽祭で22日まで出演していた。

断念に当たってコメントを発表しており、春に診断された血管炎の影響とまだ戦っており、医師のアドバイスに従い、今は自分の健康を優先し、完全な回復に専念しなければならないと述べている。

また、ティーレマンに代役を依頼したことについては「州立歌劇場は私にとってとても大切な場所。だからこそ、私の尊敬する同僚が第1、第3サイクルの指揮を急きょ引き受けると宣言してくれたことは、とても嬉しいこと。私たちは長い付き合いなので、新しい《ニーベルングの指環》は極めて優れた手に委ねられていることを私は知っています」と述べている。

写真:Salzburger Festspiele / Monika Rittershaus


関連記事

  1. ワシントン発 〓 ヨーヨー・マがロシア大使館前の歩道で独り演奏、ウクライナ侵略に抗議

  2. 東京発 〓 新日本フィルが新シーズン、2023/2024シーズンの定期演奏会ラインナップを発表

  3. ザルツブルク発 〓 復活祭音楽祭、2023年のオペラはカウフマン主演の《タンホイザー》。レジデント・オーケストラにアンドリス・ネルソンス率いるライプツィヒ・ゲヴァントハウス管

  4. ミラノ発 〓 カウフマンがスカラ座の新シーズンの開幕を飾るヴェルディ《運命の力》を降板

  5. 訃報 〓 グレアム・ヴィック(67)イギリスの演出家

  6. ヴィースバーデン発 〓 パトリック・ランゲが任期残してヘッセン州立劇場の音楽総監督を退任、芸術総監督との方向性合わず

  7. バーデン=バーデン発 〓 バーデン=バーデン聖霊降臨祭の音楽祭を中止

  8. ウィーン発 〓 カミラ・ニールンドに国立歌劇場の「ロッテ・レーマン メモリアル・リング」

  9. 京都発 〓 指揮者の広上淳一が京都コンサートホールの館長に

  10. プレストン発 〓 ドイツの高級車メーカー「ポルシェ」の支援受け、新しいオーケストラが誕生

  11. 訃報 〓 オスカー・ギリア(85)イタリアのギタリスト

  12. ストックホルム発 〓 ノーベル賞コンサートの指揮はマンフレート・ホーネック、ディアナ・ダムラウが出演

  13. ドレスデン音楽祭 〓 「グラスヒュッテ音楽祭賞」の授与式をオンライン上で、ハンニガンと結んで

  14. ストックホルム発 〓 スウェーデンも劇場の一時閉鎖へ

  15. ミルウォーキー発 〓 ミルウォーキー響が2020/2021シーズンをキャンセル

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。