ニュルンベルク発 〓 州立劇場がヨアナ・マルヴィッツに史上初の「名誉指揮者」の称号

2024/04/22

ニュルンベルク州立劇場(Staatstheater Nürnberg)が4月21日、昨年まで5年間音楽総監督を務めていたドイツの指揮者ヨアナ・マルヴィッツ(Joana Mallwitz)に対し、「卓越した業績と功績」を認め、100年以上の歴史の中で初の「名誉指揮者」の称号を贈った。

マルヴィッツはヒルデスハイム生まれの38歳。2014年にエアフルト市立劇場の音楽総監督に就任、ヨーロッパで最年少の女性音楽総監督として話題をさらった。2018年にはニュルンベルクに移り、劇場史上初の女性音楽総監督に就任。2019年、ドイツのオペラ雑誌「オペルンヴェルト=Opernwelt」誌で「今年の指揮者」に選ばれている。

昨年2023年、「ドイツ・グラモフォン」レーベルと録音契約。ミルガ・グラジニーテ=ティーラに次いで、老舗レーベルと専属契約した二人目の女性の指揮者となった。2025年にはベルリン・フィルハーモニー管弦楽団にデビューすることが決まっている。

ニュルンベルク退任後、2023/2024シーズンからは、コンツェルトハウス管弦楽団の首席指揮者兼芸術監督を務めており、ベルリンの主要オーケストラを率いる初の女性指揮者となった。9月にはドイツ連邦共和国功労勲章を受章している。

劇場は在職中の活動、活躍に加え、青少年オーケストラを創設したことも評価。劇場の芸術監督を務める演出家のイェンス=ダニエル・ヘルツォークは「困難な状況や誰もが努力しなければならない状況でも、人々を巻き込むことができるという、あまり一般的ではない才能」を持っていると賛辞を贈っている。

写真:Staatstheater Nürnberg / Thomas Heinold


関連記事

  1. ニューヨーク発 〓 ニューヨーク・フィルが2022/2023シーズンの公演ラインナップを発表、次期音楽監督めぐり注目集める客演指揮者たち

  2. ロンドン発 〓 ルプーが引退へ

  3. ライプツィヒ発 〓 ライプツィヒ市立オペラが2022/2023シーズンの公演ラインナップを発表

  4. ワシントン発 〓 ワシントン・ナショナル・オペラの音楽監督にロバート・スパーノ

  5. ストックホルム発 〓 2023年の「ポーラー音楽賞」に作曲家のアルヴォ・ペルト

  6. ブリスベン発 〓 オペラ・オーストラリアが上演を延期していた新制作の《ニーベルングの指環》4部作の通し上演を10月に

  7. ニューヨーク発 〓 新制作《魔笛》指揮のナタリー・シュトゥッツマンがメトロポリタン歌劇場管に謝罪、自身の発言めぐって

  8. ミラノ発 〓 クリスティアン・ティーレマンが代役で久々にスカラ・フィルの指揮台に

  9. ルツェルン発 〓 夏の音楽祭の中止決まる

  10. ライプツィヒ発 〓 ライプツィヒ歌劇場が《チェネレントラ》をストリーミング配信

  11. ワルシャワ発 〓 ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団の次期音楽監督にアンドレイ・ボレイコ

  12. フランクフルト発 〓 フランクフルト市立オペラが2023/2024シーズンの公演ラインナップを発表

  13. 訃報 〓 ロザリンド・エリアス(90)米国のメゾ・ソプラノ歌手

  14. シュトゥットガルト発 〓 クルレンツィスが南西ドイツ放送響との契約を延長

  15. ケルン発 〓 WDR交響楽団の次期首席指揮者にマチェラル

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。