訃報 〓 ヴィルジニア・ゼアーニ(97)ルーマニア出身のソプラノ歌手

2023/03/22

ルーマニア出身のソプラノ歌手ヴィルジニア・ゼアーニ(Virginia Zeani)が20日、米国のフロリダで亡くなった。97歳だった。1950-80年代に国際的に活躍、中でもヴェルディ《椿姫》のヴィオレッタ役が当たり役で、生涯に650回近く歌っている。引退後は米国で数多くの名歌手を育てた。

ルーマニア西部ソロバストルの生まれで、ヴィルジニア・ゼハン(Zehan)。幼い頃から合唱団で歌い、ブカレストで学んだ後、第二次世界大戦後になってイタリアに移住、ミラノで指揮者アントニオ・ナルドゥッチとテノール歌手アウレリアーノ・ペルティーレに師事した。

1948年、ボローニャ歌劇場でマルゲリータ・カロージオの代役としてヴィオレッタ役を歌ってオペラ・デビュー。1952年には、フィレンツェ歌劇場でマリア・カラスの代役に立ち、ベッリーニ《清教徒》のエルヴィーラ役を歌って注目を浴びた。

その後、著名な歌劇場を席巻。1956年にはミラノ・スカラ座のヘンデル《ジュリアス・シーザー》でクレオパトラ役を演じ、そこで共演したトルコ出身のイタリア系バス歌手のニコラ・ロッシ=レメーニと翌年に結婚した。1991年に夫が亡くなるまでおしどり夫妻として知られた。

レパートリーは幅広く、ヴェルディ、プッチーニ、ジョルダーノ、オッフェンバック、ロッシーニ、ドニゼッティ、プーランクまで70近い役柄を歌っている。1957年1月にミラノ・スカラ座で行われたプーランクの《カルメル派修道女の対話》の世界初演にも加わり、ブランシュ・ド・ラ・フォルス役を歌っている。

オペラ出演からの引退は1982年。サンフランシスコ・オペラの《カルメル派修道女の対話》が最後の舞台となった。その後、米国で後進の指導に当たり、アンジェラ・ブラウン、ニコール・シュヴァリエ、ヴィヴィカ・ジェノー、シルヴィア・マクネアー、アイリン・ペレスなどを育てた。

写真:Virginia Zeani





関連記事

  1. 訃報 〓 アーロン・ローザンド(92)米国のヴァイオリニスト

  2. ロサンゼルス発 〓 ロサンゼルス・フィルの首席コンサートマスターを務めるマーティン・シャリフォーが2024/2025シーズンで退団

  3. エバンストン発 〓 2021年の「ゲオルグ・ショルティ指揮者アワード」はジェンマ・ニューに

  4. サンフランシスコ発 〓 サンフランシスコ・オペラがオペラの衣装をオンラインで販売

  5. 訃報 〓 アレクサンドル・クナイフェル(80)ロシアの作曲家

  6. クリーブランド発 〓 フランツ・ウェルザー=メストのキャンセルでイゴール・レヴィットも降板、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲演奏で

  7. ニューヨーク発 〓 ドローラ・ザジックが引退を表明

  8. 訃報 〓 ヤヌシュ・オレイニチャク(72)ポーランドのピアニスト

  9. ワシントン発 〓 ケネディー・センターがナショナル響の楽団員をレイオフ

  10. フィラデルフィア発 〓 フィラデルフィア管が「男性メンバーの燕尾服着用をやめる」

  11. 訃報 〓 ジョエル・クロスニック(84)米国のチェロ奏者、ジュリアード弦楽四重奏団3代目奏者

  12. 訃報 〓 イングリッド・ヘブラー(93)オーストリア出身のピアニスト

  13. ロサンゼルス発 〓 第92回アカデミー賞作曲賞、ノミネート作品を発表

  14. ニューヨーク発 〓 カーネギー・ホールが2020/2021シーズンの残りの公演をキャンセル

  15. 訃報 〓 ペーター・シュミードル(84)元ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団首席クラリネット奏者

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。