ブラジルのピアニスト、アルトゥール・モレイラ・リマ(Arthur Moreira Lima)が10月30日、治療を受けていた南部サンタカタリーナ島のフロリアノーポリスの病院で亡くなった。84歳だった。腸がんとの闘病していた。
リオデジャネイロの生まれで、6歳からピアノをスタート、9歳の時にブラジル交響楽団と共演するなど早くからその才能が認められた。長じてリオデジャネイロでルチア・ブランコ、パリでマルグリット・ロン、モスクワでルドルフ・ケレルに師事した。
その名を一躍有名にしたのは、1965年の第7回「ショパン国際ピアノ・コンクール」で、マルタ・アルゲリッチと優勝を競い、二位に入賞した。その後、1969年の「リーズ国際ピアノ・コンクール」、「チャイコフスキー国際コンクール」で立て続けに3位に入賞、国際的な活躍を続けるスタートさせた。
音楽を慈しむように丁寧に歌い込む音楽作りとそれを支える繊細なタッチで知られ、10年掛けてショパンの全作品を録音。母国ブラジルの作曲家の録音も多く、この20年ほどは、音楽に触れる機会の少ない地域の人のため、トラックにピアノを積んで演奏に出かける活動を続けていた。
また、2021年に行われた第18回「ショパン国際ピアノ・コンクール」では、急きょ辞退したアルゲリッチとネルソン・フレイレに代わって審査員を務めるなど、国際的なコンクールでも活躍した。
写真:YouTube
訃報 〓 アルトゥール・モレイラ・リマ(84)ブラジルのピアニスト
2024/10/31
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